639 狂おしき再会 ペニー・ジョーダン
- 作者: ペニージョーダン,Penny Jordan,高木晶子
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2010/05
- メディア: 新書
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ジェイは弁護士フィリップに進められた下宿に滞在を決め、その女主人を見て、強く惹かれる自分に戸惑った。そして、彼女の女としての反応にも気付いた。
ビッキーは、自身の反応に驚いていた。忌まわしい夜以来、男性を近づけたことはない。それに、母として気軽なセックスなど許されるわけがない。ビッキーの拒絶を感じながらも、ジェイは子供たちの信頼を勝ち取り、存在感を大きくしていった。
ある日、買い物に出た二人は、雪のために家への道を閉ざされ、仕方なくジェイの家に泊まることになる。二人きりになったことで、自制心を失くした二人は、ついに夜を共にし、ジェイはビッキーにプロポーズする。子供には父親が必要だ。ジェイなら素晴らしい父親になれるに違いない。何よりも、二人は惹かれ合っている。二人の結婚を子供たちは喜んだ。クリスマス・イブにフィリップから招待を受けた二人は、連れだって彼の家を訪れる。フィリップの娘はビッキーの学友であり、最悪の事態を生んだパーティーへの同行者だった。ビッキーとジェイの婚約のニュースを聞いた彼女は、パーティーで二人が一目で惹かれ合っていたと言い、ビッキーはジェイが双子の父親であることを知った。
自分を無理やり利用した男を、なぜ求めてしまうのか、ビッキーはわからなかった。自己嫌悪と憎悪がビッキーを苦しめ苛んだ。
怒りに駆られて、ビッキーはジェイに二度と会いたくないと告げるが、ジェイは結婚を拒めば裁判で双子を奪うと脅した。
それならば、とビッキーは結婚しても、夫婦としての生活は放棄しようと決意する。それは、彼への罰とともに、彼への欲望を消せない自分への罰だった。
嫌悪と苦悩はビッキーを蝕んだ。だが、ジェイに圧し掛かられた時、彼もまたビッキーを拒むことができないのだと知る。
過去は変えられない。しかし、二人が一目で惹かれ合ったことも事実だった。ビッキーが酔っていなくて、ジェイが恋人に裏切られた苦悩を抱えていなければ、違う過去であったかもしれない。
二人は愛し合っている。過去の過ちのせいで、現在と未来を捨てるのは愚かだ。
二人とも、過ちの報いは受けた。ビッキーの中で、恥辱感も自己嫌悪も良心の呵責も消えて行った。あとに、ジェイへの愛だけが残った。
一目で惹かれてしまった男性に、酔いの力を借りてアプローチした娘は、手痛い教訓を学んだ。妊娠し、双子を産んだことに後悔はないが、成長して父親について聞かれた時、何も答えられない自分を彼女は恥じた。そして、子供たちが歓迎し、夫に決めた男性が、あの忌まわしい夜の相手だったことを知った彼女は、自分に憎悪さえ感じるようになる。
ちょっと、どろどろしすぎてて、胸糞悪い感じです。