285 時をさまよう恋人 ヘザー・グレアム

時をさまよう恋人 (シルエット・ラブストリーム)

時をさまよう恋人 (シルエット・ラブストリーム)

南北戦争の最中、ジェイソンは弟が砲弾に倒れたことに気付いて、岩陰に運んだ。後で助けに来ると言って自分の隊に戻ろうとしたジェイソンは気味の悪い嵐に巻き込まれ、馬を失う。
ビッキーは、南北戦争を再現する祭に当時の衣装でやって来た。友人たちとの会食のあとで、家に帰ろうと山に向かったビッキーは、途中で襲われ、馬を奪われる。男はビッキーに危害は加えないが、同行させると言って、彼女を縛りつけた。南軍の兵士だと名乗るジェイソンをはじめは信じられないビッキーだったが、再び嵐に巻き込まれ戦火のただなかに飛び込む経験をし、時を超えたことを知った。雨を避けるために逃げ込んだ洞窟で、惹かれ合う二人は抱き合った。翌朝、山を下りた二人は戦う南北の兵士たちと、それを取り囲む見物人を目にする。ジェイソンは時を超え、未来に来てしまったことを知った。ビッキーの祖父は、南北戦争のコレクターであり、研究者だった。祖父は図書館に記録を調べに行き、ジェイソンが弟を野戦病院に連れて行き、弟が命を取り留め立派な医師になったことを調べ上げた。そして、その後のジェイソンの活躍も記載されてあった。恋に落ちてしまった二人だったが、ジェイソンは弟を助けに行かねばならなく、ビッキーは年老いた祖父を一人残しては行けなかった。ジェイソンは扉をくぐり、過去へと戻って行った。ビッキーは扉が閉じる前に、彼に別れを告げたかった。しかし、過去に現れたビッキーは北軍の兵士に見つかり、拘束されてしまう。ビッキーの後を追ってやってきた祖父は、ビッキーの危機を知り、ジェイソンに助けを求めた。ジェイソンが率いる一隊は、勇ましく戦いビッキーを助け出す。年老いた祖父は力を使い果たし崩れ落ちた。祖父には近代医療が必要だ。ジェイソンは祖父とビッキーを連れ、もう一度扉を超えた。救急車で運びこまれた祖父の診断は、疲れだった。安堵したビッキーの心は、祖父とジェイソンの間で揺れ動いた。ジェイソンを送って扉まで来たビッキーを待っていたのは祖父だった。祖父はビッキーにジェイソンを追えと言った。彼と共に人生を歩めと。ビッキーは閉じかけた通路に足を踏み出した。祖父の目にジェイソンの馬に乗せられたビッキーのシルエットが見え、消えて行った。
数日後、昔の記録からビッキーが5人の子供を産んだことを、祖父は知った。


ホットじゃないですが、結構わくわくする話です。