640 あなたを憎んだ過ち キャスリン・ロス
- 作者: キャスリンロス,Kathryn Ross,山科みずき
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2012/01/13
- メディア: 新書
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企業買収を探る、その記者の存在の措置を決めた時、マルコは愉快だった。
イザベルは経済を専門にしていたが、編集長からマルコのインタビューを告げられて怒りを感じていた。マルコはイザベルの祖父の会社を買収した後、彼女の父を解雇し、それが原因で母とイザベルは父から捨てられた。母はその痛手から回復することなく、イザベルは学業と仕事だけに邁進してきた。マルコの非道な買収を暴きたいとずっと思ってきたのだ。
しかし、仕事を失いたくなければ、マルコのインタビューを成功させるしかない。
マルコはこれまで自分に対する女性の反応を気にかけたことはなかった。だが、彼女の態度は興味深い。
やがて、イザベルはマルコが不当なことをしたのではないと知った。会社を傾かせたのは父だったのだ。そして、どんなに拒否しようとも、彼に惹かれる気持ちは偽りではなかった。マルコに触れられると拒むことなど彼女にはできなかった。
二人はしばらくの休日を楽しんだ。未来のない、ここだけの関係を。
イザベルの書いた記事は、好評だった。そのために、イザベルは忘れたい名前を忘れ去ることができなかった。編集長は続編を望んでいた。でも、二度と彼に会うつもりはない。
イザベルが体調の変化に気付いた時、いきなりマルコが訪ねて来る。彼女はマルコを追い返そうとするが、妊娠に気付かれてしまう。彼はかつての失敗を忘れられず、結婚はできないと言った。
彼女の面倒は見るというマルコの言葉にイザベルは怒りを感じた。お金などで解決されたくはない。
イザベルは居留守を使い、電話も拒否するが、ついにマルコは会社に現れた。今のところはパパラッチたちも、イザベルがインタビュアだということを疑ってはいないが、勘ぐられたくはない。
イザベルはマルコに超音波検査の日を教え、来るつもりなら現地で落ち合おうと告げた。
だが、当日マルコはイザベルの部屋にやってきた。連れだって病院に行った二人は、医師から心音が不規則だと言われ動顛する。
必死に気丈にふるまおうとするイザベルを、マルコは手放すことなどできないと痛感する。「愛している」飛び出た言葉にマルコ自身も驚くが、それが真実だと気付く。二度とこんなことにはなるまいと誓ったはずだったが、もはや手遅れだった。
しばらくして現れた産科医は、双子だと告げる。
呆然としてリムジンに乗り込んだイザベルは、再度愛を告げられて彼に愛していると言った。リムジンの外では、彼らのキスを写真に撮るパパラッチたちが群がっていたが、二人は気にしなかった。
マスコミ嫌いの男と、彼に恨みを持つジャーナリストが恋に落ちる話。