552 結婚という名の悪夢 ジェイン・ポーター

結婚という名の悪夢 (ハーレクイン・ロマンス 2236)

結婚という名の悪夢 (ハーレクイン・ロマンス 2236)

アレクサンドラは15歳の時見た映画で、ウルフに夢中になった。ハリウッドでチャンスを掴んで映画を作りたい。田舎から出て来たアレクサンドラは、必死に働いて映画会社に入りはしたが、チャンスは訪れなかった。ボスにウルフから依頼があった仕事に最適だと言われたアレクサンドラは、興奮した。しかし、その仕事はウルフの愛人のふりをするというものだった。自尊心を捨ててまで仕事を得たい訳ではない。怒りに燃えて拒絶するアレクサンドラに、ウルフは報酬の他に、助監督の椅子も約束する。身体を売るわけではない。ウルフは既婚者ジェイとの不倫話で失墜したイメージを回復させたいだけなのだ。
承諾すると、ウルフはスタイリストを手配し、地味だったアレクサンドラを変身させた。二人は外で食事をし、パーティで親密なふりを続け、ウルフはアレクサンドラに花を送った。辛辣な物言いのアレクサンドラに、日に日にウルフは惹かれて行く。だが、アレクサンドラは彼の魅力に惑わされないことを自分に言い聞かせていた。
パーティで、アレクサンドラは若いモデルの女からカクテルをこぼされて、ドレスを汚されてしまう。洗面所に向かったアレクサンドラは、顔見知りの男から家で着替えられるように送り迎えすると提案されて同意する。しかし、男はアレクサンドラに麻薬入りの飲み物を飲ませ、レイプしようとした。アレクサンドラを追って来たウルフは、それを阻止するが、麻薬に拒絶反応を起こしたアレクサンドラを救急車で運んだことをタブロイド誌に暴露される。自殺未遂と書かれた記事を見て、アレクサンドラの父と5人の兄たちは、即座に帰って来るように告げた。田舎で彼らの思い通りの人生を送るなんてまっぴらだ。彼女に救いを求められて、ウルフは婚約していると嘘をついた。動揺するアレクサンドラは、やがてウルフが本当に結婚するつもりでいることを知る。二週間後、花嫁衣装を着たアレクサンドラは、逃げ出そうとするが、ウルフはそれを悟り、彼女を祭壇に追い立てる。茫然としたまま、アレクサンドラは妻になった。やがて、アレクサンドラはウルフを愛していることに気付く。ザンビアでの撮影が始まり、ジェイが合流して、アレクサンドラは嫉妬に苛まれた。ウルフはジェイと不倫関係だったことはないと言ったが、アレクサンドラには信じることができなかった。そして、ジェイが記者にこれは偽装結婚で、彼はアレクサンドラを愛している訳ではないと告げ、二人の結婚生活に亀裂が生じる。彼を信じようとしないアレクサンドラを置いて、ウルフは家を出て行った。仕事を続けながらアレクサンドラはウルフを待ち続けたが、彼は戻って来なかった。やがて、アレクサンドラは諦めて、離婚手続きをするが、それでも彼からの連絡はなかった。二週間後、パーティに出かけたアレクサンドラは、会場でウルフとジェイを目撃する。そして、翌日現れたウルフは、離婚申し立てに異議を唱えたと告げた。
ウルフはアルコール依存症だった母の元を離れた後、母が亡くなったことで自分を責めていた。友人であるジェイが、やはりアルコール依存症でおかしくなったことを心配し、彼女を見捨てることはできないと思っていた。しかし、自ら回復しようとする意思のない人間を更生させることはできないとやっと悟ってもいた。アレクサンドラの父親が病で倒れたと聞いたウルフはアレクサンドラを支えるために、彼女の実家に向かうが5人の兄たちに阻止される。看護から帰って来たアレクサンドラを待っていたのは、殴り合いをするウルフと5人の兄たちだった。彼には勝てない。二人はお互いが間違っていたことを認め、愛を確認し合った。


母を幼い時に亡くしてから、彼女は荒くれ者の男たちに囲まれて育った。魅力的な大スターの妻に、平凡な自分がなれるなんて信じられない。自信のなさの故、彼女は保障を求め、破滅に向かって行く。という話です。