638 愛を捨てる理由 ロビン・ドナルド
- 作者: ロビンドナルド,Robyn Donald,森島小百合
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2010/04
- メディア: 新書
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フェリペの追跡を恐れて、ハニはハンナと名前を変え、トゥクウルに渡って教師として働き始める。
ドラッグ漬けにされた記憶から、ハニは薬を嫌い、熱病を持病にしてしまう。発作の兆候が現れた時、ハニは即座に薬を飲むことができず、たまたま傍にいた初対面のケルトに介抱される。
校長から、しばらく静養するように言われたハニは、ニュージーランドのコテージに滞在することとなるが、その家はケルトが所有するものだった。
辛い過去から、この6年間というもの、男性に興味を感じなかったハニは、ケルトに対する強烈な欲望に悩まされることとなる。
ハニの使う特効薬が、長期連用の危険な薬だとわかり、ハニは安全だったトゥクウルに戻ることを諦めざる得なかった。それならば、大人の女として、ケルトとの熱いひと時を過ごしても構わないと、ハニは欲望を解き放つことに決める。
そして、これまで封印してきた危険を冒すことにし、インターネットでフェリペの現在を調べたが、彼は既に死んでいた。解放感を感じ、ケルトと共に過ごすことを夢見ていたハニは、ケルトがカラシアの大公の弟であることを知って、恐怖に震えた。
もしも、タブロイド紙に死んだことになっている自分がケルトと親密にしていると知られたら、双方の家族が恥をかく。愛するケルトのために、自分は消えるべきだ。
荷造りを済ませた時、聞き慣れたエンジン音が聞こえた。黙って居なくなることは、誠意のない行いだと思ったハニは、やって来たケルトに全てを明かした。ケルトは、ハニを被害者だと言った。そして、誰に何を言われても、彼女を守ると言い、生きていることをラフィークに伝えるべきだと諭した。
二度と帰ることは叶わないと思っていた祖国に、ハニはケルトと共に訪れ、兄と謁見した。ラフィークはハニを抱きしめ、世話人のことで、ずっと自分を責めてきたと言った。
ハニの苦難の日々は終わった。18の時に失ったものを、ケルトが取り戻してくれたのだ。
純真無垢なプリンセスは、狡猾な男に騙され、恐怖に突き落とされる。ただ、生きているだけだった彼女を目覚めさせたのは、素敵なプリンスだったって話です。