470 愛を請う予感 ペニー・ジョーダン

愛を請う予感 (ハーレクイン・ロマンス)

愛を請う予感 (ハーレクイン・ロマンス)

キーラの母は娼婦だった。父親は妻のいる男性だったという話で、母が亡くなった後、引き取られた時大叔母から、キーラはふしだらという事を厭と言うほど教え込まれた。母のようにはならない。自分に誓ったキーラは、恋愛も結婚も禁じて、仕事だけに尽した。友人の結婚式で、ジェイを初めて見た時、キーラは馴染のない感覚に呆然とする。抗いがたい力で、彼に惹きつけられる。ジェイは彼女のサインを見逃さなかった。自分に身体を投げ出す女には、飽き飽きだった。だが、ジェイもまた、キーラに惹きつけられていた。熱い欲望に駆られて、二人は唇を重ねるが、我に返ったキーラは謝罪の言葉を残して逃げ出した。キーラが友人に立て替えたお金を受け取った処を見て、ジェイはキーラを娼婦だと誤解し、彼女を買おうと申し出た。またしても、キーラは逃げ出すが、翌日仕事相手として紹介された男は、ジェイだった。仲介をしてくれた者に迷惑はかけられない。キーラとジェイは契約を交わすが、二人に飛び交う火花は避けようもなかった。ジェイはキーラを求めていた。ジェイは他の男性と談笑する彼女を、見境なく誘惑しようとしていると責め、独占欲を露わにする。やがて、キーラは自身の欲望に屈した。だが、キーラがバージンであったと気付いたジェイは、結婚の罠に嵌めるために、それを利用しようとしたと責める。ジェイはキーラを遠ざけようとするが、無理だった。飽きるまで、縛られない関係を続けようと、ジェイは提案し、キーラはジェイを愛する余り、それを拒めなかった。キーラは素晴らしい仕事をした。そして、その仕事が終わった時、これ以上彼の傍にいることはできないと決意する。自国に帰るというキーラに、ジェイは手当を出すと言いだし、断ったキーラの口座には破格な金額が振り込まれた。そして、抗議するキーラに、ジェイは特別なサービスに対する礼金だと答えた。彼の私に対する評価は、変わることはないのだ。キーラは涙が枯れるまで泣いてから、少女たちを売春から救う団体に彼の名前で特別なサービス分の金額を寄付した。
一か月半が経ったある日、キーラは新しい依頼人を待っていた。だが、そこに現れたのはジェイだった。ジェイはキーラに謝罪し、チャンスが欲しいと言った。キーラを愛している。結婚して欲しいと。キーラは自分が娼婦の娘であることを話した。自分はジェイに相応しくない人間。誰も自分を望んだりしない。しかし、ジェイは二度と彼女を手放す危険は冒さないと言った。何度拒絶されても、結婚してくれるまで、説得は止めないと。キーラはジェイの胸に飛び込んだ。


絶対に結婚などしないと誓いを立てていた男女の、出会いと結末まで。結構ホットです。