637 エーゲ海に捨てた恋 キャサリン・ジョージ

エーゲ海に捨てた恋 (ハーレクイン・ロマンス)

エーゲ海に捨てた恋 (ハーレクイン・ロマンス)

友人だと思っていた男からレイプされかけた事を忘れるために、イザベルはギリシアの田舎町にやって来た。静かなコテージで孤独を楽しみたかった。賑やかなビーチを避けて、人けのないビーチを見つけたイザベルは、不注意から岩を滑り落ちて気を失う。
祖父は妊娠した母を家から追い出し、生まれたルーカスを孫と認めようともしなかった。苦労の末亡くなった母を思い、ルーカスは復讐を誓った。そして、綿密な計画を進め、その所有する会社を奪い取ることに成功する。
目的を達成したルーカスは、休みを取ろうと自らが所有するヴィラに向かうが、プライベート・ビーチで横たわる女性を見つけて怒りを感じた。また不埒な企みを持つ女に違いないと行ってみると、彼女は怪我を負い失神していた。仕方なく自分のヴィラに彼女を運んだルーカスは、手当をし、医師を呼んだ。
目覚めたイザベルは、自分を助けた男性が自分を歓迎していないことに気付き、コテージに戻ることを主張するが、脳震盪を起こし、足を捻挫していては滞在するほかなかった。
やがて、ルーカスはイザベルがただの旅行者であることを知り、彼女に欲望を抱くようになった。
イザベルは旅先でのアバンチュールなどに興味はなかった。救ってくれた礼に、自身を差し出すつもりはない。
だが、会社を奪われたあと急死した祖父の妻の葬儀で、ルーカスは襲われ怪我を負ったことで、イザベルは動揺を覚える。直後、イザベルは見知らぬ男に拉致されて、薄汚い小屋に閉じ込められてしまう。
送られてきた写真からイザベルの場所に気付いたルーカスは、彼女をまた救い出した。身代金を用意して、取り引き場所に赴いたルーカスは、犯人を取り押さえ、祖父の妻の姉妹がルーカスを脅かそうとしたことを知った。
危険は去ったが、イザベルの帰国の時限は近づいていた。
もう、拒むことはできない。二人は熱い日を過ごし、ルーカスはイザベルを帰したくないと願っていた。
ルーカス所有の家に住み、彼の時間がある時だけ共に過ごすというルーカスの提案は、彼女に愛人になれと言うのと同じだった。彼を待つだけの女になどなりたくない。イザベルは予定通り帰国の途につき、手紙でルーカスに別れを告げた。
二ヶ月後、突然ルーカスが訪れ、直接理由が聞きたいと告げる。ルーカスはイザベルから愛の言葉を引き出し、彼女に出会うまで結婚など考えたことはなかったと言った。彼女を愛人にしようとしたのではなく、共に過ごすうちに懐柔しようとしていたのだ。
ルーカスの気持ちを知って、イザベルは結婚を承諾した。


肝心なことを言わずに、誤解して苦しむという、いつものパターンですね。