511 フィジーの妖精 アン・マカリスター

フィジーの妖精 (ハーレクイン・ロマンス)

フィジーの妖精 (ハーレクイン・ロマンス)

セイディが少女から女性に変化し始めた時から、スペンスは彼女に惹かれていたが、友人である、セイディの兄から釘を刺されて、自分は彼女に相応しくないと気持ちを封印することにする。だが、書類整理の腕を買われて、セイディはスペンスに雇われることになった。セイディは物心ついた頃から、スペンスに恋していたが、女性として見てもらえない事に、落胆も感じていた。スペンスが花嫁に式をすっぽかされた時、セイディは彼を慰めようとするが、傷ついたスペンスは彼女にプロポーズする。そのまま結婚してしまった二人は、情熱的な初夜を過ごすが、翌朝、スペンスはその行動を悔やみ、すぐ離婚すると宣言する。スペンスは弁護士から送られて来た書類を開きもせずにしまい込んだ。4年後、リゾートの共同経営者になるために、妻が必要になったスペンスは、便宜結婚をしようと思いつき、セイディに書類を持って来るように頼むが、離婚が成立していなかったことを知る。
それなら、セイディを伴って赴けばいいのだ。滞在期間だけ、夫婦として振舞うという約束をして、スペンスとセイディはフィジーに向かった。だが、セイディが自分の妻であるという事実は、封印していたスペンスの気持ちを解き放ってしまった。二人は愛し合っていることを確認し合い、素晴らしい休暇を過ごした。しかし、不幸な幼少期を過ごしたスペンスは、子供を持つことに否定的だった。セイディはスペンスが自分自身を愛していないことを指摘し、スペンスは離婚を口にする。決裂した話し合いは、解決することなく、セイディはスペンスの元を去った。
スペンスは祖父の言葉を思い出し、リスクを負えば、自分のなりたい人間になれるのだと気付く。それは、彼女を愛する男、そして、彼女に愛される男だった。セイディの子供の父親になる決意を、やっとスペンスはしたのだった。


愛されて育った子供は、幸せなんだよね。うちの息子さんは、愛されてるのがわかってるから、地震が来た5分後に、無事だメールをよこした!あれがなきゃ、半狂乱だったよ、ホント。その後、すぐに携帯が使えなくなっちゃったからさ。今だ、サバイバル生活してるのは知ってるけど、安心してられるもん。