338 裸足の令嬢 マーゴット・ダルトン

裸足の令嬢 (ハーレクイン・スーパーロマンス)

裸足の令嬢 (ハーレクイン・スーパーロマンス)

イザベルは怯えていた。元夫のエリックは諦めそうにないし、父や兄と結託していることを知ってしまったからには、逃れられそうにない。イザベルは周到に計画を立て、死んだことにして国外に逃げようとする。しかし、車と一緒にダイブしたイザベルは怪我を負って、お金と切符を失ってしまった。一晩身を隠していたイザベルは、空腹のあまり一軒の農家に忍び込み、食糧を漁っているところを見つかってしまう。ダンはイザベルの話を聞き、お互いが助け合うという理由で偽装結婚を提案した。結婚すれば、別の名前が手に入り、新しい身分証明書を作ることができる。そうすれば、エリックに見つからずに国外に逃亡できるだろう。イザベルは2,3か月のハウスキーパーとベビーシッターすることを引き換えに、ダンと結婚した。お嬢様として育てられたイザベルは、家事全般が初めてのものであり、手を荒らしながらも楽しんでやっていたが、13歳になった娘エリーだけは彼女を受け入れようとしなかった。エリーは学校でクラスメイトから性的苛めを受けていたが、誰にも話せずにいた。しかし、イザベルは自分の経験からエリーの悩みを感じていた。ダンはイザベルに惹かれ、欲望を抑え込もうと苦しんでいた。イザベルはお互い大人なのだと、ダンを誘惑する。ダンはイザベルを愛していたが、貧乏な生活にイザベルが我慢できるとも思えなかった。二人は暗黙の了解で、決行を決め、イザベルは新しい運転免許証を手に入れた。イザベルはダンも子供たちも愛していたが、ダンの気持ちがわからずにいた。だが、ここに居続けたらエリックが危険を運んで来るかもしれないという恐怖は、イザベルを苛んだ。貸金庫に預けていた財産を無事に取りだし、航空券を買ったイザベルはダンと共に家に帰ったが、エリックが依頼した探偵がそれを見ていた。エリックは警官という立場から、車の持ち主を調べ、即座に後を追った。農家の窓から二人の睦まじいシルエットを見たエリックは、激しい怒りと嫉妬を感じた。男が外に出たのを見て、ドアの中に入ったエリックは、イザベルに銃を突きつけた。戻ってきたダンは、イザベルを気遣い、エリックを説得しようとする。二人が既に結婚していること、ダンがイザベルを愛していることを聞いたエリックは、無力感に襲われた。この事は忘れるから、人生とキャリアを台無しにしないようにと諭され、エリックは帰って行った。脅威はなくなったのだ。脅威がなくなり、ダンがイザベルを愛していることを知ったからには、この家から出て行く理由はない。しかし、ダンは予定通り出て行けと言った。自分には彼女に与えられるものなどないし、彼女からお金を出してもらうなんて恥だ。イザベルは、愚かな夫に取り引きを持ちかけ、誘惑した。本物の結婚にすること、家の建て増しや沢山の子供を作ること。ダンは降参した。


珍しく貧乏なヒーローです。おまけに、三人の子持ちなの。