572 買われた妻 ヘレン・ビアンチン

買われた妻 (ハーレクイン・ロマンス)

買われた妻 (ハーレクイン・ロマンス)

ロミーは両親と出かけたパーティで、父のボスであるシャビエルと出会う。彼の誘いを受け、彼の恋人となったロミーはシャビエルに全てを捧げ、同棲を始めたが、ある日彼に愛してはいないと言われて失意を感じ、彼の元を去った。
3年後、自宅に戻ったロミーは、父からとんでもない話を聞かされる。先日亡くなった母に十分な治療を受けさせるために、会社の金を横領した上、投資に失敗して多大な負債を抱え、シャビエルから訴えられていると。このままでは、父は投獄されてしまう。ロミーは告訴を取りやめて貰えるように、シャビエルに直談判をするため、彼のオフィスを訪れる。だが、シャビエルは取り引きに叶う資産はロミー自身しかないと告げ、結婚して子供を産んでくれるなら負債も肩代わりすると言った。父を救うためには、どんな過酷な条件も飲むしかない。話を聞いた父は反対しようとするが、シャビエルから娘を愛人にしたいのかと言われては、黙るしかなかった。
彼を憎んでいる。そう言い聞かせても、心は彼を愛していた。それに、彼は不思議な程優しくしてくれる。ロミーが欲しいのは彼の心だった。そして、それは絶対に望んではいけないもの。
ある日、教師を務めるロミーは、管理課で若い男に襲われる。護身術を習っていたロミーは、男の隙をつき彼を取り押さえたが、大騒ぎになってしまう。知らせを受けたシャビエルは、大急ぎで戻って来た。そのシャビエルの態度から、ロミーは微かな希望を感じる。彼は私を大事に思ってくれている。でも、それでは不十分だ。
翌日、ロミーが職場に行くと、校長から休暇を取るべきだと言われる。シャビエルが勝手に校長との話を決めたことに、ロミーは腹を立てるが、彼に高級リゾートを提案されて、まんざらでもなかった。素晴らしい楽園で、シャビエルはロミーに愛していると告げる。彼女が全て、彼女しかいないと。ロミーがずっとシャビエルの傍にいることを受け入れると、彼は部屋にロミーを連れて行った。そこにはウェディングドレスが用意されていた。


誰かを愛することなどできないと思い込んでいた男は、大切にしようと思っていた女性に去られて、彼女を愛していることに気付く。そして、彼女を取り戻すために、彼は策略を巡らすという話。