507 忍び寄る悪夢 ヘレン・ビアンチン
- 作者: ヘレンビアンチン,Helen Bianchin,中村美穂
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2008/08
- メディア: 新書
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サンドロは妻に相応しい女性として、イレーナを選んだ。家柄といい、容姿といい、申し分ない。式前日に結婚を取りやめた後、イレーナは氷の乙女と噂されていたが、その氷を溶かしてやるとサンドロは決意した。だが、イレーナの参加したコンテストに来ていたサンドロの記事が新聞に載った事から、グラントは行動を起こし始める。脅迫電話に怯えたイレーナは、一人で対処しようとするが、地下駐車場でグラントに襲われ、それをサンドロに悟られてしまう。サンドロはボディーガードを雇い、彼女を警護させるが、イレーナの運転する車が対向車にぶつけられ、彼女が怪我を負ったことで、決断する。サンドロはイレーナを自宅に連れ帰り、婚約を言い渡す。グラントをおびき寄せる罠だと知っていても、イレーナの心は揺れた。彼に惹かれずにはいられない。悲鳴を上げ、悪夢にうなされるイレーナを守ってやりたいとサンドロは痛切に感じていた。やがて、グラントは歩道を歩くイレーナを車で引き殺そうとして、逮捕された。全てが終わったことに、イレーナは喜んでいいのか、悲しんでいいのかわからなかった。サンドロの元を去りたくはないが、彼の愛なしに彼の妻にはなれない。去って行くイレーナをサンドロは止めなかった。食べることも眠ることもできない。でも、欲しいのは彼の愛だけだ。二週間後、母から食事に誘われたイレーナは、断ることもできず出かけ、そこにサンドロの姿を見つける。彼は膝まづき、彼女を愛していると言った。契約的な結婚で構わないと思っていた彼をイレーナが変えたのだと。二人はお互いのものとなった。
包装だけで結婚を決意した男は、彼女の傷を知り、彼女への献身にかられ、去られた後になって、それが愛だと知るという話。