570 運命に身を任せて ヘレン・ビアンチン

運命に身を任せて (ハーレクイン・ロマンス)

運命に身を任せて (ハーレクイン・ロマンス)

姉の婚約パーティで、会って以来、テイラーはダンテに惹かれていたが、彼が自分のような女の手に負える男性ではないこともわかっていた。その後、作家としてデビューしたテイラーは、ある日暴漢に襲われて、大怪我を負い、男性への恐怖心を抱える身となる。
数年後、姉夫婦が事故で亡くなり、一人残された甥の後見人となったことで、テイラーはダンテと再会する。両親を失った幼いベンの養育を巡って、二人の意見は衝突し、ダンテは自分の家で共同で養育することを提案する。一抹の不安を感じながらも、テイラーはダンテの案を受け入れ、広大なダンテの家で同居生活を始めた。
テイラーの期待も虚しく、ダンテはテイラーとベンの生活に溶け込み、絶えず傍にいることで、テイラーは緊張し動揺する。ベンを祖母に会わせたいというダンテの希望に、反対することもできず、三人はトスカーナに行くことが決まる。それは、素晴らしい休暇だったが、周囲の人たちにダンテのパートナーだと扱われ、テイラーは困惑した。それを、ダンテは否定しようともしない。怒りを吐き出すテイラーに、ダンテはベンのために結婚すべきだと言った。様々な問題が、結婚によって全て解決されると。テイラーは怖かった。だが、ダンテに説得されて、イタリアで式を挙げることを承諾する。
以前と何も変わらない生活が戻って来た。違うのは情熱的な夜が待っていることだけだった。心の底で、テイラーは愛を求めていたが、自分に期待を持つことを禁じていた。
執筆中の作品に必要な情報を求めて、警察署を訪れたテイラーは、そこで見知らぬ男に拉致され、咽喉元にナイフを突き付けられる。男の隙をついて、危険を脱したものの、迎えに来たダンテは激怒していた。
ダンテは何よりも大事な彼女を失いかけたことに動揺していた。テイラーは何もわかっていない。
テイラーは自分を撫でるダンテの指が震えていることに気付いて、驚く。君を失うことなど耐えられない、愛しているとダンテは言った。テイラーは初めて彼の目に燃える愛に気付き、それに応えた。


怯える彼女を逃がさないように、注意深く包囲して、やっと捕えたものの、傷つくことを恐れる彼女は、疑惑を探そうとする。