561 赤い誘惑 ジュリー・E・リート

赤い誘惑 (ハーレクイン・スポットライト・プラス)

赤い誘惑 (ハーレクイン・スポットライト・プラス)

シドニーは32歳で目標を達成してしまい、虚しさを感じる自分に戸惑う。折しも、親友デボンの結婚で、一人独身に取り残されてしまったことで、デボンの姪キャシーに分かち合う人が居ないと指摘されて、シドニーは一年前に別れた恋人を思い出す。シドニーは彼から関係を深めたいと提案されて、逃げ出したのだ。彼を取り戻したい。シドニーは私立探偵に依頼し、彼の行方を突き止める。
アダムは一年前に車に轢き殺されそうになり、記憶を失っていた。その上、視覚認識に障害を受け、以前の仕事はできなくなっていた。アダムの妹は全てのアダムの資産を注ぎ込んで、彼の命を救い、今では大工仕事で日々の生活を賄っていた。突然現れた美女は、アダムの過去を知っていた。そして、事故のあった夜、行方不明となっていたアダムの設計図面を宅配業者が取りに来たと言う。アダムはシドニーと共に自分の命を奪おうとし、図面と未来を奪った犯人を追うことを決める。
シドニーはその宅配業者を知っていた。カイルとは昔、寝たことがある。探偵に調べさせると、カイルはスラムを脱して、富裕層が住む地域に居を構え、事業を起こしていた。彼はどこから、その金を得たのだ。シドニーはカイルに罠を仕掛け、図面を受け取った会社を突き止める。それは、アダムに仕事のノウハウを教え、導いてくれたマーカスの会社だった。
一人でマーカスの会社に乗り込んだアダムは、会議室に貼られた自分の図面に気付く。マーカスの息子スティーブンは、アダムを見て蒼白になり、自分の提案を蹴ったアダムに責任があると非難する。どんな提案があったにしろ、何も覚えていない。アダムはただ真実が知りたかった。マーカスはスティーブンが仕出かした犯罪を知らなかったが、息子を守りたい一心でアダムに多額の報酬を示した。将来を潰されたのに、金や謝罪だけで我慢できるはずがない。謎は解決したが、アダムは虚しい想いに苛まれた。シドニーは永遠を求めているが、自分にはまだ覚悟ができていない。でも、彼女を手放すことなどできるはずがない。
シドニーはアダムに準備ができるまで待つことを決める。アダムはマーカスから昔の権利なども返してもらい、莫大な資産を得た。その中の青写真の一つにシドニーは夢中になり、屋敷を建てることを決め、アダムは自らハンマを握って施工に加わった。8か月間待ち続けたシドニーは痺れを切らす。赤いリボンをつけて自分を差し出すシドニーに、アダムは笑ってプロポーズした。彼は膝まずき、ポケットから指輪を取りだして彼女に渡し、愛していると告げた。


自分が持たない才能に対する嫉妬が事件を起こす。彼はプロジェクトを取り結ぶ権利が欲しかっただけだったが、彼が仕事を依頼した卑劣漢は、アダムを殺そうとし計画が狂う。
しっかし、Cockringなんぞ普通の男がつけたら笑っちゃわない?