513 オフィスの愛人 シャロン・ケンドリック

オフィスの愛人 (ハーレクイン・ロマンス)

オフィスの愛人 (ハーレクイン・ロマンス)

アンジーはずっとボスに恋していたが、ついに現実的になって、転職しようと決意する。リカルドは自分が抜擢した秘書に満足していたが、アンジーのあまりに地味なことに苛立ちを感じ、たまたま手元にあったドレスをプレゼントしようと思いつく。しかし、そのドレスはアンジーをセクシーな美女に変え、リカルドは自身の欲望に戸惑った。アンジーの帰路に不安を感じたリカルドは、彼女を家まで送って行くが、欲望に囚われ一夜を過ごしてしまう。目覚めた時リカルドは、優秀な秘書を失いたくないという気持ちと、彼女に変な期待を持たせたくないという思いに悩み、それを察したアンジーは、自尊心を守るために冷静さを装った。でも、もう以前の関係には戻れない。アンジーはあちこちに打診をし、それに気付いたリカルドは、激怒した。リカルドは、アンジーが欲しかった。しばらく愛人として堪能すれば、この飢餓感から解放されるはずだ。リカルドは、彼の妹の結婚式に同行するなら、多額のボーナスを与えて、辞職を受け入れると提案する。滞在中は、表向きは秘書、実は愛人として彼と過ごすことになる。アンジーは己の愚かさを思い知らされながらも、もう従順な秘書でいるのはやめようと決意した。だが、愛のない結婚に悩むリカルドの妹の相談に応えたことが、リカルドの逆鱗に触れ、アンジーは追い返された。弁護士に相談したアンジーは、自分の不利を知り、雇用期間耐えることを決める。アンジーに投げつけた言葉を悔やんでいたリカルドは、帰ってすぐ、アンジーが高熱を出していることに気付き、自分の家に連れ帰って世話をした。リカルドの看病で、病を治癒したアンジーは立ち去ろうとするが、リカルドはしばらく滞在するよう勧めた。話し合いが必要だというリカルドに説得されたアンジーは、彼の出張の間、留まったが、リカルドの別れた恋人からの電話で、あのドレスがその女性の物だったことを知る。失恋の痛手を、アンジーは乗り越えるために、妹が住むオーストラリアに向かうことで癒すことにする。離婚の危機にあった妹は、アンジーの助言から夫を愛していることに気付き、問題は解決された。虚しい心を抱えて、海辺にいたアンジーは、リカルドの姿に驚いた。
リカルドはアンジーを失って、この狂おしい思いが愛であることに気付いた。だが、リカルドを信じないアンジーは、高い壁を築いてしまっていた。リカルドは言葉を尽くして、彼女を愛していることを分からせた。


愛などは、愚か者のたわごと、結婚の時期が来たら、相応しい無垢な乙女を捜せばいい。傲慢な男に惹かれてしまった女の話。