370 許せないプロポーズ ヘレン・ビアンチン

許せないプロポーズ (ハーレクイン・クラシックス)

許せないプロポーズ (ハーレクイン・クラシックス)

パーティで出会って惹かれ合ったターシャとジャレッドはすぐ付き合い始め、やがて同居するようになった。あとくされの無い大人の関係であるつもりが、ターシャの妊娠によって均衡が崩れる。ターシャの言葉を聞いてジャレッドは即座に結婚を口にしたが、ターシャは愛によってでしか結婚は考えられなかった。そして、彼は自分に欲望を感じていただけだ。ターシャの言葉にジャレッドは否定しなかった。子供ができただけのことで彼を縛りつける気はない。しかし、ターシャはジャレッドを愛していた。同居を続けることはターシャにとって危険だった。ターシャはアパートを見つけ彼の部屋から出たが、ジャレッドは毎晩電話をかけ、花を贈り、食事に誘った。ジャレッドは強引ではなかったが、ターシャを遠ざけようとはしなかった。以前の親密さが恋しくてターシャは悶々としたが、疑惑の残るままで彼の胸に飛び込むつもりはなかった。同居する恋人同士から、ただのデート相手になってしまったジャレッドは、どうすれば彼女を取り戻すことができるかわからなかった。仕事でメルボルンに行ったジャレッドが空港で爆破事件に巻き込まれ、ターシャは明らかな事実に気付く。彼のいない人生など価値がない。ジャレッドは無事を知らせるために電話してきた時、ターシャに愛していると告げた。急いで帰って来たジャレッドと食事に出かけた時、ターシャは彼に愛を告白し結婚して欲しいと伝えた。ジャレッドは苦悩の末に、疑惑も不安もなく愛し合える喜びを噛みしめた。


不幸な生い立ちから、親しくなりすぎる事を恐れていたターシャ。相手が離れて行ってしまった時に自分が傷つかないための防衛だったが、それが二人の愛に影を落とす。素敵な話でした。