荒んでいた
ジーナを救ってくれたのは、エシーだった。社会科の教師だったエシーは、古い物が大好きで、祖父の建てた家に住み、一族の歴史を大事にしていた。家族のいない
ジーナは、
ケリガン家の歴史に魅せられ、エシーが博物館に変えた一族の家を守ることを誓った。エシー亡き後、博物館の館長になった
ジーナは、膨大な作品と、手狭な屋敷の問題を解決できないかと、資金集めの助言を求めるために、新聞社のアンに面会を申し込む。待ち合わせのレストランで、
ジーナは不躾な視線に気付いた。自分を見つめ続ける、その顔に見覚えがなかった
ジーナは、やって来たアンに尋ねた。そして、彼がエシーの甥デズであることを知った。アンの仄めかしを受けて、翌朝新聞を見た
ジーナは、町の中心部にあるデパートが売りに出されたことを知る。この建物なら、博物館に申し分ない。決意した
ジーナは、記者発表が行われるというホテルに出かけたが、デパートはすでにデズに売られたことを知らされる。会場にいた記者が、
ジーナの動向に興味を持ち、憶測で報道したせいで、事態は思わぬ方向に動き始める。デズと
ジーナはお互いに惹かれる気持ちを隠し、相手の思考を推測して行動を起こした。
ジーナとの会話から、新たな案が生まれ、デズはデパートに博物館を移転することに同意する。しかし、調査に来た建築家から、エシーの屋敷が取り壊されることを聞いた
ジーナは、動揺した。彼を信じたことは間違いだった。エシーの恩に、唾を吐いたも同然だ。頑なになった
ジーナを、デズは無理やり地下室に連れて行った。亀裂が入り、みしみしと音を立てる階段からは、埃が舞う。屋敷は崩壊寸前だった。この家はもう保存することはできないのだ。
ジーナは渋々ながらも事実を受け入れた。そして、デズは
ジーナにプロポーズし、承諾を得る。
古い建物を買っては、取り壊すという噂の、烈腕実業家は、歴史的な物に夢中の館長に恋して、信念を曲げざる得なくなっていく。面白いけど、ホットなとこはありません。