477 美しき傷跡 ジェイン・ポーター

美しき傷跡 (ハーレクイン・ロマンス)

美しき傷跡 (ハーレクイン・ロマンス)

エリザベスは富豪の家に生まれ、何不自由なく育ったが、両親が亡くなり、遺産相続した後不安と孤独を感じる。莫大な財産を持つ彼女は、社交界にデビューし、持て囃され、沢山の求婚者に囲まれた。ニコの熱烈なアプローチに、結婚を承諾したエリザベスは、結婚後、彼の浮気に気付いた。謝罪の言葉に関わらず、度重なる浮気に、とうとうエリザベスは離婚を決めるが、ニコはマスコミを利用し、彼女の体面を傷つけ、彼女の財産の半分を奪い取った。ぼろぼろになったエリザベスは、イギリスに渡り、母の旧姓を名乗り、看護婦の資格を取り、別人として生活を始める。やがて、看護婦派遣会社を始めたエリザベスは、小さな成功を手にするが、ギリシャの大富豪クリスチャンの看護の不備で、会社は危機にさらされる。失敗すれば、会社を失うことになる。二度と行くまいと誓っていたギリシャに、エリザベスは向かった。人里離れた修道院で、彼は隠匿していた。クリスチャンは苛立ち、絶望を感じ、気力を失っている。ヘリの事故で、クリスチャンは唯一の家族、兄を失っていた。エリザベスは、クリスチャンを見て茫然となった。顔に残った傷跡さえ美しい。こんな男性に会ったのは初めてだ。惹かれてはいけないと思いつつ、エリザベスはクリスチャンに惹かれて行った。言葉の応酬から、クリスチャンは二週間で歩けるようになってやると豪語し、実際にやり遂げた。彼に看護婦は必要ない。クリスチャンの傍にいることに危険を感じたエリザベスは、自国に戻る決意を固めた。クリスチャンの外食の誘いに応じたエリザベスは、二人きりの食事に緊張した。泊まるために案内された部屋で、停電に怯えたエリザベスは、クリスチャンの腕の中に飛び込んでしまう。一人でいたくない。二人はお互いを求め合った。しかし、電燈が点いた時、エリザベスは現実に返る。エリザベスの後悔を感じ取って、怒ったクリスチャンを追って部屋を出たエリザベスは、元夫の声にショックを受ける。ニコはクリスチャンに、エリザベスの醜聞を喚き散らした。ニコの言葉は嘘だとエリザベスは、クリスチャンに言ったが彼は聞こうとしなかった。エリザベスは、そのままイギリスに送り返された。会社を立て直すことだけを考えよう。しかし、二か月後、エリザベスは妊娠を確信して動揺する。クリスチャンに知らせても、彼は策略だと罵るに違いない。誰にも言わず、一人で育てよう。しかし、その夜クリスチャンが訪れる。一体彼は何しに来たの。クリスチャンは一カ月前からイギリスに来ていたと言った。目の手術を受け、完全ではないが、物の形は見えるようになったと。エリザベスは、自分の変化に気付いて欲しくなかった。だが、クリスチャンはエリザベスの妊娠を知っていた。ディナーの後、膝まづいたクリスチャンはエリザベスにプロポーズするが、エリザベスにはイエスと答えることができなかった。足を踏み出すのが怖い。クリスチャンはエリザベスを逃がすつもりはないと言った。愛してくれるなら、傍にいて欲しいとクリスチャンは言った。彼を愛している。死ぬまで彼と共にいたい。愛は不安より強い。エリザベスは彼のプロポーズにイエスと答えた。


元夫をやっつけてくれ!って感じよね。悪役もスパイスとして必要だけどさ。