469 仕組まれた婚約劇 ペニー・ジョーダン

仕組まれた婚約劇 (ハーレクイン・ロマンス)

仕組まれた婚約劇 (ハーレクイン・ロマンス)

アナベルは、結婚と離婚を繰り返し、今また、再婚しようとしていた。そして、夫となるアートの娘たちに対抗するため、娘ティリーは婚約中だと嘘をついてしまう。ティリーは困惑するが、母のために何とかしたいと思った。友人から提案されて、エスコートサービスを頼んだティリーは、母の待つ古城に派遣された男と出かけることを決める。
サイラスは俳優志望の弟からの頼みを引き受けた。仕事には吐き気を覚えたが、何度も取材を断られたアートに近付くには好都合だ。母を死に至らしめた事件の秘密を暴きたい。城に到着すると、二人に用意されていたのは、暖房の届かない屋根裏の一室だった。男を買おうとしたと非難を受けて、ティリーは婚約は解消したことにするから帰れと告げた。目的のためには彼女を誘惑してもいい。サイラスは二人に飛び交う火花を利用しようとするが、ティリーを知るにつけ彼女に惹かれて行った。彼女か、仕事か。その選択にサイラスは揺れた。サイラスが誘惑に乗らなかったことで、アートの娘から置き去りにされてしまったサイラスとティリーは、泊まったホテルでついに結ばれた。母を見て育ったティリーは永遠の愛など信じないと思い込んでいたが、恋に落ちたことを幸せと感じていた。しかし、城に帰った時、アートの娘はサイラスの正体を暴き、ティリーを嘲笑った。利用されただけだったのだ。ティリーはサイラスを忘れようとしたが、サイラスは何度拒絶されても彼女に連絡を取り続けた。そして、ある日封筒が届く。それは、サイラスが書いた原稿だった。今までと同じように破り捨てようと思いつつ、ティリーは封を開け、文面に目を走らせた。それは、母の悲劇的な死につながった環境破壊と、それに命を捧げた生き様を書き綴った素晴らしい原稿だった。最後に、サイラスはティリーへの愛の告白と、航空券を同封していた。どうかしていると思いつつも、ティリーは空港に向かい、指示に従った。行き着いた先は、サイラスと初めて愛を交わしたホテルだった。サイラスを目にした時、ティリーは彼なしに生きて行くことなどできない事を悟った。二人は固く抱き合い、将来を誓った。


離婚したくないから、結婚はしない。愛のない情事などできないから、セックスもしない。凍りついた彼女の情熱を、彼は一瞬で蕩けさせ、発熱させる。疼く身体を感じつつも、拒絶しようとする女。彼は、彼女こそ運命の女だと気付き、手に入れようとする。