463 復讐のための結婚 ミランダ・リー

復讐のための結婚 (ハーレクイン・ロマンス)

復讐のための結婚 (ハーレクイン・ロマンス)

婚約者のオフィスで婚約者が秘書を抱く所業を目撃したニコルは、呆然としたまま帰宅したが、母はそれを当然の事と受け取るよう言った。婚約破棄を申し出たニコルを、婚約者は責め、義父でさえニコルに我慢が足りないと告げた。こんな世界に所属することはできない。ニコルは、それまで暮らしていたお姫様のような世界に別れを告げて、一人立ちする決意をする。タイで孤児院の運営を手伝い始めたニコルは、ある日母からの電話を取った。義父の会社が倒産し、豪邸が人手に渡ったというのだ。私物を持ちだすには急がなくてはいけない。ブランド物の服や宝石は、どうでもよかったが、思い出の品は捨てられたくない。ニコルは急いで帰途に着いた。
ラッセルの父は、飢饉で危機に陥った農場を立て直すために、無謀な負債を試みたあげく、先祖伝来の農場を奪われて、自殺してしまう。ラッセルは、父に取り立てることもできない借金をさせたアリステアを恨んだ。激怒するラッセルは、アリステアに復讐を誓い、16年間を過ごした。派手な生活を送るアリステアは、株の暴落から全てを失い、妻と共に姿を消した。アリステアの豪邸を買い取り、所有できたものの、ラッセルに達成感はなかった。屋敷で、アリステアの娘に出会ったラッセルは、復讐のために、彼女を手に入れようと思いつく。ニコルとラッセルは、惹かれあい、欲望のまま抱き合った。しかし、真実のニコルは我儘な放蕩娘ではなく、誠実で優しい娘であることに、やがてラッセルは気付いていく。彼女を愛している。復讐から始めた誘惑に、罪悪感は持っていたものの、ラッセルは彼女を傷つけることを恐れて、打ち明けずにプロポーズした。結婚式は滞りなく終了したが、その時ニコルの母親が飛び込んで来る。母は、16年前に夫を糾弾した男を覚えていた。そして、その復讐に、娘が利用されたことを暴いた。ラッセルはニコルの判断を仰いだ。ニコルはラッセルの愛情を疑わず、大切なのはお互いの心だけだと答えた。


460で紹介した作品の、前の話です。メガンとジェイムズも、ちょっと出てきます。