468 プリンセスの隠れ家 ジュリア・ジェイムズ

プリンセスの隠れ家 (ハーレクイン・ロマンス)

プリンセスの隠れ家 (ハーレクイン・ロマンス)

妹マリアが生まれた時、リジーの存在価値は無くなった。両親はマリアを溺愛し、リジーはマリアの世話だけが使命だった。美しく成長したマリアはスカウトを受け、モデルとなり、家を出て行ってしばらくして、マリアが交通事故に合い、目覚めることがないと知った時、両親は生きることを止め、二人だけで旅立って行った。残されたリジーはマリアに付き添ったが、マリアは昏睡状態のまま男児を産み落とした後、生命維持装置を外された。それから、リジーはマリアの息子を養子にして、二人きりの生活を始める。だが、リジーは子供の父親が誰か知りもしなかった。
エンリコは友人の記者から、亡き弟の息子が生まれていることを知らされる。弟は亡くなる前日、結婚していた。父と兄から、子供を保護するよう言われたエンリコは、リジーを訪ね、ベンに血縁を感じた。公国のプリンスの忘れ形見だと言われ、リジーは当惑するが、貪欲なマスコミに見つかる前に、身を隠すべきだと言われ同行を決意する。国王と皇太子は、ベンだけを引き取るつもりだったが、幼いベンを手放すつもりはないと、リジーは抗議した。エンリコはリジーの母性愛に感銘を受けた。法的にもリジーの権利は明らかだった。父の国を見せるべきだと言われて、公国を訪れたリジーは、ベンから引き離され騙されたことを知る。気付いたエンリコは、リジーとベンを連れて逃亡し、二人を守るために必要だと説得して、リジーと結婚した。公国の支配の及ばない隣国のリゾート地で、三人は家族のように暮らし、エンリコは父王の決断を待った。リジーは構ったこともなかった外見の改善を諭され、プロの手に任せたが、結果は素晴らしかった。エンリコはリジーの美しさに呆然となり、欲望を覚えた。やがて、二人は本物の夫婦となったが、突然迎えがやって来る。促されたエンリコは城に到着してすぐ拘束され、残されたリジーとベンはイギリスに追われた。二度と、エンリコに会ってはならない。さもなければ、彼は地位をはく奪される。おとぎ話は終わったのだ。
だが、エンリコはプリンスの称号を捨てた。父から結婚は無効だと言われた時、皇太子の予備でしかない身分よりも、自分が必要とされている場所に行くことを決意し、リジーへの愛を確信する。


醜いあひるの子的な話ですね。ボサボサの髪をした、化粧もしたことがないような不細工な女。ダブダブの服を脱いだ時、彼女の真価が現れる。それは、これまで自身を隠し続けていた男の壁を崩し、愛に目覚めさせていく。典型的シンデレラです。