459 罪深き娘 ジュリア・ジェイムズ

罪深き娘 (ハーレクイン・ロマンス)

罪深き娘 (ハーレクイン・ロマンス)

未婚の母だったアーリーンは、エンリコに出会い、彼の愛人となった。娘レイチェルは寄宿学校に送られ、ほとんど母と過ごすことがなくなったが、14歳の夏休みエンリコの屋敷に滞在を許される。そこで、エンリコの息子ヴィードに父の愛人が産んだ私生児と侮辱を受け、レイチェルは母を恥じた。学友に誘われて訪れたイタリアで、ヴィードに再会した時、ヴィードがレイチェルを覚えていないことに気付く。レイチェルはデートに誘われ、楽しい時間を過ごすが、愛人の娘だとヴィードが知ったら、また軽蔑を受けると恐れていた。イギリスに帰る前日、ヴィードはレイチェルを自分の部屋に連れて行き、二人は至福の時を過ごした。翌朝、レイチェルはアーリーンの悲鳴で目覚めた。アーリーンは娘の純潔を奪った代償に、ヴィードに結婚を迫ったが、父子は取り合おうとしなかった。レイチェルは自分の愚かさを知らされた。見かけは天使のようでも、彼は悪魔だ。レイチェルは仕事を見つけ、一人立ちを決める。エンリコが亡くなった時、ヴィードはアーリーンを追い出した。しかし、アーリーンはファルネステ家の花嫁に伝えられるエメラルドを持ちだしていた。何とかしてヴィードは宝石を取り戻そうとするが、法律は彼女に味方した。レイチェルが25歳になった時、アーリーンに癌が見つかる。初めて母と過ごす時間が増えたレイチェルは、母の夢を知った。アーリーンは愛する相手から、セックスの対象としてしか認められないことを悲しみ、レイチェルには真っ当な人生を与えたいと願っていた。母の夢を知ったレイチェルは無謀な賭けに出ることを決意する。エメラルドと引き換えに、結婚証明書が欲しい。レイチェルの提案をヴィードは飲んだ。二人は結婚し、レイチェルは抵抗も見せずヴィードの手に落ちた。直後、ヴィードの言葉にレイチェルは、またしても自分の愚かさを思い知らされた。自分の気持ちなどはどうでもいい。エメラルドは持ち主の元に帰り、レイチェルは欲しかったものを手に入れたのだ。レイチェルは、結婚証明書を持って、母の病室に行った。うつろな心を隠し、レイチェルは母の喜びを受け止めた。ヴィードは結婚を公にするつもりはなかったが、しばらく彼女を愛人のように囲うつもりでいた。しかし、尾行させた者からレイチェルが病院に行ったあと、部屋に閉じこもっていると聞いて、疑惑を持ち始める。ヴィードはレイチェルの部屋を訪ね、アーリーンが余命幾ばくもないことを知らされる。断片を繋ぎ合わせ、やっとヴィードは真実を知った。ヴィードは彼の家にレイチェルを連れて行き、7年前の話をした。無垢な少女に恋し、自分のものにしたいと願ったいきさつを。そして、彼女を愛していると言った。レイチェルの心は一瞬弾んだが、愛人の娘と愛し合うことなどできないと答えた。だが、ヴィードは親の犯した罪は子供には関係ないと告げ、自分はレイチェルを選ぶと宣言する。


自身の目と心を疑った男が、目覚めるという話。