444 心のパズルを解いて アマンダ・ブラウニング

心のパズルを解いて (ハーレクイン・イマージュ)

心のパズルを解いて (ハーレクイン・イマージュ)

アリックスは一目で恋に落ちた。ピアスにプロポーズされ、二人きりで式を挙げて、彼の寝室に運ばれた時、彼女は幸せの絶頂だった。しかし、翌朝、ピアスは冷たい声で、結婚したのは復讐のためだったと告白する。アリックスの祖父が奪ったピアスの祖父の船を、ピアスはアリックスと引き換えに取り戻した。アリックスはイギリスに帰り、アメリカでの忌まわしい結婚の経緯を自分の胸にしまい込んだ。
父が倒れ、会社の経営を任されたアリックスは、会社存続の危機に気付く。資金を得られなければ、続けて行くことはできない。八方塞のアリックスの前に、突然ピアスが現れ、窮地を救うため、資金を出す代わりに結婚を要求する。母や従業員たちを、路頭に迷わせたくはない。でも、自分を憎んでいる女とどうして結婚などしたいのかわからない。どんなに拒絶したくても、状況は、一つの選択しかないことを示していた。屈辱感と絶望の中で、アリックスは自分を奮い立たせた。彼の思い通りになどさせない。たやすく騙された無邪気な娘は死んだのだ。彼はまた何か企んでいるに違いないのだから。だが、再会してからのピアスの態度は、思いやりがあり優しかった。猜疑心の虜となりながらも、アリックスは戸惑った。一体、真実はどこにあるのだろう。問いただしても、ピアスは何も答えなかった。やがて、アリックスは自分を利用し傷つけ辱めた男を、いまだに愛していることに気付く。どんなに憎もうとしても、彼を傷つけたいとは思わない。そして、アリックスはピアスの書斎で赤線を引かれた一遍の詩を見つけ、彼の愛の存在を知る。そうであって欲しいと思いながらも、アリックスは信じることができずにいた。答えを見つけたい。アリックスはピアスに身体を差し出し、その答えを見つけた気がしたが、翌朝、またしてもピアスの断固とした拒絶に合う。無理やりヘリに乗せられ、空港に運ばれたアリックスは、渡されたイギリス行きの航空券をニューヨーク行きに変え、ピアスのオフィスでピアスを待った。以前のように、簡単に追い払われたりはしない。
ピアスは愛する祖父との約束を守るために、相手の孫娘を利用しようと決意した。計算外だったのは、自分が彼女に心を奪われてしまったことだった。だが、祖父との約束は果たさなくてはならない。ピアスは彼女に自分を憎ませることで、代償を払おうとした。アリックスの窮地を知った時、彼女を救い、また彼女に愛される奇跡をピアスは祈った。危機は去りイギリスにアリックスを迎えに行ったピアスは、彼女の居場所がわからないことにうろたえ地獄に突き落とされるような恐怖を味わった。オフィスでアリックスを見つけたピアスは、激情にかられて自分の愛がわからないのかとアリックスを責めた。初めて愛を告白されて、アリックスは信じることが怖かった。ピアスは、アリックスの前にプライドも投げ出し、許しを求めた。アリックスは彼の痛みを感じ、彼をずっと愛し続けていたことを明かした。謎は解け、二人に明るい未来が訪れることを確信する。


ギリシアの報復に対する義務って、どうなの?愛があれば、許されるってのが理解できないわ。馬鹿じゃないのって思っちゃったもん。