440 愛を知らない億万長者 アン・マリー・ウィンストン

愛を知らない億万長者 (シルエット・ディザイア (D982))

愛を知らない億万長者 (シルエット・ディザイア (D982))

フェイスとストーンのそれぞれの父親が事故で亡くなって以来、フェイス親子はストーンの世話になっていた。成人が近づいて現状を知ろうとしたフェイスは、家が破産状態で、全ての費用がストーンから出ていたことを知って働くことを決める。ストーンの母はストーンの結婚を条件に、会社を彼に譲ると言い、ストーンはフェイスにその解決策を見出す。ずっとストーンに心を寄せていたフェイスには、とんでもない話だったが、病気の母も同居させてくれると言われ、承諾する。無垢な少女を誘惑するなど許されない。そうは思っても、ストーンは日に日にフェイスへの欲望を募らせて行った。言葉とは裏腹な、ストーンの態度に勇気を得て、フェイスは彼を誘惑し、ストーンは陥落する。しかし、愛しているというフェイスの言葉に、ストーンは頑なにこれはただの欲望だと言い張った。フェイスを手放したくはない。だが、若いフェイスに永遠を求めるのは間違っている。落胆したフェイスは家を出て行った。彼女を失って、ストーンは凍りついた。彼女を取り戻したい。ストーンは母の会社に行き、フェイスが戻って来てくれるなら、母の会社も、自分の会社さえいらないと宣言した。母の会社にいたフェイスは、その言葉を聞いて彼の胸に飛び込んだ。


幼い時、母に捨てられた記憶は、ストーンの心を頑なにしていた。家族を欲しいという気持ちを否定してはいたが、蟠っていた暗い感情はフェイスの存在によって浄化されていく。