347 幻のかなた ダイアナ・ハミルトン

幻のかなた (ハーレクイン・クラシックス)

幻のかなた (ハーレクイン・クラシックス)

両親が亡くなってセリーナは伯母の家に引き取られた。しかし、伯母は息子ドミニクを溺愛し、彼女が家族ではないことを事ある毎に知らしめた。伯母の夫マーティンはセリーナを可愛がってくれたが、セリーナは自立することだけを目標にするようになった。やがて、マーティンは引退して、会社をドミニクに任せ、セリーナは家業を手伝うようになる。買付から戻ったセリーナは一本の電話を取った。アダムという男性からマーティンに面会を求めるものだった。伝言を聞いたマーティンは心臓発作を起こし入院してしまう。アダムはマーティンの非嫡出子であり、良からぬことを企んでいると聞かされ、セリーナは怒りに燃えた。やって来たアダムは要件を話そうとはせず、いきなりセリーナにキスをする。これまで男性と深い関係を望んだこともなかったセリーナは、目覚めてしまった自身の身体に当惑し、嫌悪した。ドミニクはアダムの意向に沿うようにと言うだけだった。セリーナは、アダムから会社が負債を抱え、屋敷やアパートがアダムのものになっていることを知らされた。ドミニクは会社の金を横領していた。彼らの窮地を救いたければ、結婚しろとアダムは言った。敬愛するマーティンの苦境にセリーナは、アダムの要求を飲んだ。だが、マーティンを傷つけたくはない。セリーナは、見舞いに行き、マーティンにアダムと愛し合い結婚を決めたと嘘をついた。マーティンは二人の結婚を手放しで喜び、セリーナは訝しく思った。復讐のために結婚などしても、自分のためにはならないとセリーナが諭そうとすると、アダムは笑い飛ばした。セリーナには、アダムが自分を脅迫してでも結婚する真意が全くわからなかったが、目覚めてしまった身体は意思とは裏腹に、アダムに嬉々として従った。次第にセリーナはアダムがマーティンを慕い、心配する気持ちを理解し、家族を破滅する意思がないことを知る。強要された結婚などしなくてもいいのだ。セリーナは彼を愛してしまったことに愕然とする。愛されぬまま結婚することは、自身の破滅を意味する。身を守るため、セリーナはアダムの元を去った。彼は追って来なかった。セリーナは仕事に没頭し、やつれていった。自堕落な生活をやめたドミニクは恋に落ち、結婚を決めた。社交生活から遠ざかっていたセリーナも行かない訳にはいかなかった。屋敷の自室からパーティドレスに身を包んで、階下に降りて行ったセリーナはアダムの姿を見て、身を翻した。ここにはいられない。しかし、アダムはセリーナを追って来た。部屋に戻ったセリーナは、心の痛みのあまり彼を愛してしまったことを口走ってしまう。彼の蔑みを予感して、顔を覆ったセリーナを、アダムは優しく抱き締めた。アダムはセリーナを初めて見た時恋に落ちた。しかし、彼を糾弾しようとする彼女の態度を見て、彼女に近づくために苦肉の策を考えついたのだ。どんな手段を取っても、セリーナを手に入れたかったとアダムは言った。セリーナは結婚を承諾した。


普通に求愛すればいいじゃん。屈折してるんじゃない?なんかむかつく話。