335 結婚という名の偽り ケイ・ソープ

結婚という名の偽り (ハーレクイン・クラシックス)

結婚という名の偽り (ハーレクイン・クラシックス)

両親が急死して、妹と二人残されたクレアは、生活のために進学をあきらめてブティックを始める。経営は苦しかったが、クレアはジルを大学に進ませるつもりでいた。ある日、店に店舗のオーナーのロスが現れ、ジルの妊娠を告げる。ロスは弟スコットが父親だと言い、結婚を望んでいることを明かしたが、自身は反対であることを侮蔑を込めて話した。クレアはショックを隠し、怒りのあまり彼を追い返す。家に帰ったクレアはジルに問いただそうとするが、それが真実であるらしいことは疑いようもなかった。ジルはこれから家にスコットが来ると言ったが、来たのはロスとスコットの二人だった。スコットはクレアの加勢を望んでいた。あまりに若すぎる二人は家庭や子供の責任を全うできるとは思えないとクレアは思ったが、二人共、自分のことは自分で決められる年齢に達していた。ロスへの反発もあって、クレアは反対はしないと告げた。ロスは弟から話を聞いた時、金銭で解決させるつもりだったが、うまくいかないことを悟り、今夜両親に話すから、翌日来坊するようにと言って帰って行った。始め、役所で式を済ますつもりだったスコットだったが、父親は教会で行うよう言った。クレアは進学資金に充てるつもりだったお金を流用するつもりだったが、店の資金繰りも苦しかった。準備が進む中、ロスとクレアは惹かれあい、クレアは恋に落ちたことを知る。式の数日前になって、クレアは雑多なジルの部屋で、妊娠していない証拠を見つけ、ジルとスコットを問い詰めた。二人は悪びれもせず、黙っていて欲しいとクレアに頼んだ。一度心臓発作を起こしたロスたちの父親の身を案じて、波乱を起こすわけにはいかないと考えたクレアは沈黙を守った。式は無事終わり、酔っぱらったスコットは、ロスに秘密を仄めかし、嘘に激怒したロスはクレアを共犯者だと責めた。ロスの批難にクレアは弁明もせず立ち去った。私たちに未来などなかったと、クレアは忘れることに決めたが、ハネムーンからの帰り、スコットは事故を起こす。ジルは重傷だった。たった一人の家族を失う恐怖にクレアは竦んだ。病院で、ジルが命を取り留めた時、クレアはスコットがたくましくなったことに気付く。力の抜けたクレアをロスは自宅に送り、誤解は解けたと言った。愛していると。これからはクレアの問題は自分の問題だから、面倒は見ると言った。クレアはお金持ちでなくても、ロスを愛していると答えた。


兄弟同士で結婚て、結構あるんだってね。HQのヒーローってみんな金持ちなんだよ。だけど、現実世界で若くてハンサムで裕福な男なんて、ほとんどいないんだよなぁ。