336 消えたブロンド キャサリン・ジョージ

消えたブロンド (ハーレクイン・イマージュ)

消えたブロンド (ハーレクイン・イマージュ)

ハリエットのボスは、ひどくケチだった。そのケチな社長が、母にプレゼントする予定の海外旅行を、ハリエットに譲るというのだ。愕然とするハリエットは、何か裏があるのではと疑ったが、日頃虐げられている鬱憤もあって、受け入れることを決めた。社会人になってから旅行したことはなかったし、一人旅は初めてだった。ハリエットは美人だったため、ボーイフレンドは大勢いたが、ベットに飛び込まないハリエットのせいで、いつも長続きしなかった。異国の地でのんびりと過ごすハリエットが一人の男性と出会ったのは海岸だった。彼はハリエットの心をときめかせたが、ハリエットは長続きのしない恋は望んでいなかったため、再会した時の食事の誘いも断った。しかし、男はハリエットの本心が分かっているとでも言うように、彼女を連れ出すことに成功する。リチャードはハリエットを観光にも連れて行き、二人は楽しい時間を過ごした。そして、リチャードはハリエットのバスの予約を取り消し、自分が車で送ると申し出た。リチャードと離れがたくなっていたハリエットは、喜んで承知した。暑い日だった。ハリエットはリチャードに勧められるまま、彼が持って来た飲み物を飲み、眠り込んだ。目覚めた時、彼女は見知らぬ部屋で寝かされていた。どのくらい眠っていたのかもわからない。頭痛と吐き気は、彼女が何か薬を飲まされたという証だった。キッチンにいた老婆は英語が通じず、ハリエットは誘拐されたことを知った。やがて現れたリチャードは義弟が女に騙され、酷い怪我を負った話をし、その女がハリエットだと言った。リチャードは昔のハリエットの写真を持っており、義弟ペンリーが彼女だと言ったと告げた。ハリエットは人違いだと言ったが、彼は信じなかった。リチャードはハリエットに復讐するため、この古い家屋に連れて来たのだ。古びた屋敷は不潔で、水道も電気もなかったが、不思議なことに待遇は悪くなかった。ハリエットが眠る部屋は一番いい部屋だったが、陰鬱な雰囲気があり、幽霊が出ると聞かされてハリエットは悪夢にうなされた。彼女の怯える声を聞いて部屋に飛び込んできたリチャードは、彼女を抱きしめたことで自制心が崩れる。怒りを感じつつも、彼に惹かれていたハリエットは彼を受け入れた。翌朝、老婆はシーツの処女の証を見つけて、微笑んだ。しかし、リチャードはハリエットをせかし、どこかに連れて行こうとしていた。ハリエットは、自分が彼を喜ばせようとした行為が、ふしだらな娘という烙印を押したことを知った。リチャードがハリエットを連れて行った家はペンリーの家だった。しかし、ペンリーは、リチャードに人違いだと言った。濡れ衣は晴れ、恥じ入ったリチャードは償いをしたいと言ったが、彼女はもう会いたくないと告げた。リチャードはやつれ、彼女に話を聞いて欲しいと言ったが、彼女は拒絶し故郷に帰った。老婆の話を聞いて、彼女が初めてだったと知ったと書かれた手紙やプレゼントが届いたが、彼女は何もしなかった。しかし、彼女は彼を愛していた。プライドを捨て、ハリエットはリチャードに会いに行くことを決める。しかし、レストランの前で美しい女性をエスコートするリチャードを見たハリエットは、遅すぎたことを知った。借りたフラットで泣いていたハリエットをリチャードが訪ねて来る。彼はハリエットがこの地を再び訪れた理由を聞いたが、ハリエットは真実を話すことに躊躇する。リチャードは彼女を抱きしめ愛していると言った。昼間の女性は友人の妻だったと聞いてハリエットは安堵し、やっと彼を愛していることを明かした。


彼女の写真を見て、彼女をリサーチし、求めていた夢の女性だと思いつつも、疑いを捨て切れず、ついに行動を起こした彼は、愚かな結論に飛びついてしまう。許せるハリエットは偉いよ。私だったら絶対許せないと思う。