298 プリンセスの愁い ルーシー・モンロー

プリンセスの愁い―三つのティアラ〈3〉 (ハーレクイン・ロマンス)

プリンセスの愁い―三つのティアラ〈3〉 (ハーレクイン・ロマンス)

テレーザは夫を愛していた。しかし、夫にとってのテレーザは未来の王妃として相応しい素養を持った妻というだけであり、外交を行い、夜の相手を務め、世継ぎを産むことだけしか求めていないようだった。しかし、結婚して二年後、ピルの服用を止めたテレーザはひどい腹痛に悩まされるようになり、失神の後、おびただしい出血を見て、異常を感じる。医師の診断は子宮内膜症だった。ひどい疼痛を止めるには、卵管切除しかない。妊娠するには体外受精しかなく、それも確率が低かった。テレーザは悩み、離婚を決意した。痛みのため、しばらくクラウディオの求めに応じられないことも多く、クラウディオはテレーザの浮気を疑っていた。離婚を言い出したテレーザに、クラウディオは怒りと憤りを感じて、彼女を非難し、飽きていたから同意すると言った。理由を聞こうともしないクラウディオにテレーザは落胆した。しかし、国王が心臓発作で倒れ、手術が必要になり、離婚は棚上げとなる。クラウディオは裏切られたと思いつつも、テレーザに対する欲望は消えなかった。結婚当初のテレーザの瞳の輝きは消えてしまった。クラウディオはテレーザに愛されていたと知り、それが消えたことを辛いと感じた。クラウディオはテレーザを手放したくなかったが、テレーザの離婚の意思は固かった。ひどい腹痛で目覚めたテレーザは、鎮痛剤を飲み忘れたことを思い出したが、痛みで動くこともできなかった。帰ってきたクラウディオはベットの下にうずくまるテレーザに気付き、彼女の異常な事態にも気付く。話を聞いたクラウディオは、テレーザが誰にも知らせず、一人で苦しんできたことを知り、怒りを覚えた。クラウディオは時期国王として、礼節を重んじ、妻との間にも距離を置いてきた。しかし、ベットの中でだけ感情を解放することを自分に許してきたのだった。しかし、それをテレーザは欲望だけだと勘違いしている。いままで、クラウディオはテレーザを愛していると感じたことはなかった。愛は人を弱くする。だが、愛されていることを理解しなければ、テレーザは去って行ってしまう。クラウディオはテレーザをずっと愛していたことを確信して、何とか彼女の心を取り戻そうと、行動を起こす。テレーザは彼の弟たちの妻に対する思いが、クラウディオにはないと言った。愛していると言っても、テレーザは信じなかった。しかし、絶望するクラウディオの涙を見た時、テレーザは自分が見ようとしていなかったものに気付いた。自分は愛されていたのだ。クラウディオは二度と愛を疑わせることはしないと誓った。


相手を思いやり、大切に思う心って大切ですよね。