274 真夏の千一夜 ペニー・ジョーダン

真夏の千一夜―砂漠の恋人 (ハーレクイン・ロマンス)

真夏の千一夜―砂漠の恋人 (ハーレクイン・ロマンス)

両親は早くに離婚し、グウィニスは寄宿学校に追いやられた。母は新しい夫と共に居なくなり、父は気の向いた時だけ彼女に会いに来た。父は自堕落な男で、グウィニスに自分の女性遍歴を隠すこともしなかった。愛情のない楽しみだけの関係を父は赤裸々にグウィニスに語り、グウィニスはそんな父を嫌悪したが、自分にその血が流れていることを恐れた。ある日、父はグウィニスより若い愛人を彼女に会わせ、異母弟がいることを知らせた。しかし、その直後父が亡くなり、愛人とその息子の行く末を心配したグウィニスは唯一資産として相続したコンドミニアムを売ろうと決める。ズーランにやってきたグウィニスは手続きのため役所を訪れ、売却が住むまでコンドミニアムに滞在すると告げた。
タリクは不法な企みを一網打尽にするため、国王から命を受け、マフィアのチャドの配下に潜り、捜査をしていた。不審を抱かれぬようチャドから贈られたコンドミニアムに住むタリクは、チャドから女性を世話すると言われ激怒していた。タリクは自分のベッドで眠る女性を見た時、チャドが送り込んだ娼婦だと思いつつも欲望を感じてしまう。
翌日、グウィニスはいわれのない非難を受けるが、誤解であったことを後日タリクは知った。しかし、タリクは捜査のために、住み続けるしかなく、グウィニスもホテルに移る余裕はなかった。二人は惹かれ合いながらも、同居を続け、やがて事件は解決した。しかし、復讐を企む一味の手先がグウィニスを狙っていることを知ったタリクは自分の屋敷にグウィニスを匿うことを決めた。タリクはグウィニスが欲しかった。彼女に自分だけの女になって欲しいと思ったタリクはグウィニスが自分は処女だと言うことばに腹を立てた。そんな嘘はついて欲しくない。しかし、グウィニスは奔放な父の影響から、男性と親密になったことはなかった。ただ一度、タリクに抱かれたい。タリクに拒絶されたグウィニスは早く自国に帰り、彼を忘れようと決心する。タリクのグウィニスに対する気持ちは、もはや耐えきれなくなり、彼は屈した。グウィニスの中に入りながら、タリクは愛していると心の中で叫んだ。そして、グウィニスが初めてであったことをタリクは知った。とてもよかったという彼女の言葉に、一生続けてもいいくらいだったかとタリクは言った。結婚という言葉にグウィニスはたじろぎ、プリンスはプリンセスと結婚するものだと言ったが、タリクは、自分は愛する女性としかしないと言って愛を誓った。


お伽話ですね。ちょっとホットでした。