546 罪つくりな遺言 メラニー・ミルバーン

罪つくりな遺言 (ハーレクイン・ロマンス)

罪つくりな遺言 (ハーレクイン・ロマンス)

ヘイリーの母とジャスパーの父が結婚して、二人は兄妹になった。ヘイリーは16歳の時、ジャスパーの前に身を投げ出し、拒絶されて屈辱を味合わされて以来、二人は犬猿の仲となった。ヘイリーの母は数年後、莫大な慰謝料を受け取って離婚したが、ヘイリーはジャスパーの父ジェラルドとの交流を止めなかった。やがて、ジェラルドは亡くなり。その遺書には、一カ月ヘイリーとジャスパーが結婚すれば、望みの遺産が手に入ると記されていた。
ジャスパーは自分の母が愛した屋敷を自分のものにしたかった。ヘイリーが自分を憎んでいることはわかっている。不動産業を営むジャスパーは、ヘイリーのエステサロンのあるビルとヘイリーのフラットの建物を買収して、ヘイリーに結婚を迫った。しかし、ヘイリーは婚約し、結婚式を間近にしていた。ジャスパーは浮気癖のあるマイルズに、魅力的な女性を近づけ、ヘイリーにマイルズの浮気を見せつけた。
拒めば、何もかもを失ってしまう。ヘイリーはプライドに任せて、マイルズにジャスパーと結婚すると告げた。彼との結婚を夢見た時代もあった。でも、今はそれほど愚かではないはず。ヘイリーは自分の心と戦うしかなかった。ジャスパーに近づくと、意思は消えてしまう。
だが、ジャスパー自身も、問題を抱えていた。口では嘲りながら、本心ではヘイリーが少女から女性に変わった瞬間から、彼女を欲していたのだ。
愛とは無関係の、ただの情熱だと言い訳をして、二人は身体を重ねた。
やがて、ヘイリーは妊娠に気付く。それを知ったジャスパーは、自分の子だとは信じず、家からヘイリーを追い出した。
彼はプライドが高すぎて、自分から折れることはできない。三カ月後、ヘイリーはジャスパーに会いに行く。そして、自分がジャスパー以外の男に目を向けたりできないこと。彼を愛していることを話した。ジャスパーは、やっと自分が一番したかったことを自分に許し、彼女を愛していると告げた。


弱みを人に絶対見せない、傲慢な男。信じたいのに、信じることが怖い。裏切られて、愚か者にされたくない。そんな男の話です。