292 惑いの結婚指輪 キム・ローレンス

惑いの結婚指輪 (ハーレクイン・ロマンス)

惑いの結婚指輪 (ハーレクイン・ロマンス)

リリーは19歳で結婚したが、夫ゴードンは浮気を繰り返し、その罪をリリーに擦り付けるような男だった。関係修復のために、二度目のハネムーンを計画したものの、ゴードンはリリーを一人で行かせ、来ることはなかった。そして、ホテルで出会った男性を見た時、リリーは恋に落ちてしまう。
サンチャゴは街で見かけた女性に夢中になり、タクシーの後をつけ、ホテルを突き留めた。手伝いをしていた少年から未亡人だと聞かされて、慎重に知り合うことにしたものの、彼女を求める気持ちは抑えが利かなかった。リリーはサンチャゴが誤解していることに気付いたが、夫がいることを言いそびれてしまう。二人の情熱的な休日は、ゴードンの電話によって壊された。騙されたことを知って、サンチャゴは激怒し、去って行った。家に戻ったリリーを待っていたのは裏切り者の夫だった。ゴードンは別の女性と結婚するため、リリーに離婚を求めた。離婚成立後、リリーは妊娠に気付く。しかし、リリーの幸福は無残な結果となった。子供は死産、その上彼女は合併症から手術を受けることとなり、打ちのめされたリリーは生きる気力を失った。彼女を心配した友人レイチェルは、リリーを自分の家に住まわせ、彼女を元気づけようとした。半年後、レイチェルは恋人のコテージに一緒に行こうと誘った。リリーは親友の気遣いに感謝はしていたが、干渉されたくなかった。しかし、断りきれず、訪れたコテージにサンチャゴがいることを知ってリリーは茫然とする。サンチャゴは自分を騙した女を、忘れることができなかった。しかし、やつれ、すっかり痩せてしまったリリーを見て、憤慨し、何があったのか疑問を感じた。レイチェルの話から、リリーが死産した後、死にかけたことを知ってサンチャゴは罪悪感を覚える。見つめ合った二人に過去の記憶が甦り、抗えない欲望に二人は身を任せた。リリーは過ちに気付いて、サンチャゴから遠ざかろうとするが、ブレーキが利かなくなった車は生垣に突っ込んだ。追いかけてきたサンチャゴはリリーには保護が必要だと言い張り、彼女を家に連れて行った。同情も、償いも何も要らない。リリーはサンチャゴに自分の人生から出て行けと言った。しかし、サンチャゴはそんな高尚なものではなく欲望だと答えた。リリーが一番欲しかったのはサンチャゴの愛だったが、欲望なら二人がいる理由になった。リリーは抱き合うだけなら愛人のようだから、会話や他のこともしたいとサンチャゴに言ったが、実は彼といられるなら何でもよかった。家に帰り、用事に忙殺されながらも、考えるのは彼に会いたいということだけだった。リリーはサンチャゴに会いに行き、愛人でも何でも、彼の望むようにすると言った。何を言い、何をしているのかもわからない。ただ、彼を愛している。サンチャゴは、リリーが彼を騙そうとしていた訳ではないことに気付いていた。そして、出会った時既に結婚を決意していたことも明かし、その気持ちは変わっていないことを告げた。


結構面白かった。傲慢でも、一途な男性っていいよねぇ。