293 傷心の日々に エマ・リッチモンド

傷心の日々に (ハーレクイン・ロマンス)

傷心の日々に (ハーレクイン・ロマンス)

レオは飛行機事故で大怪我を負い、彼が墜落した庭の住人に手厚く介抱された。動くことを禁じられたレオは苦痛を感じ、興味を持てるものは何もなかった。その家の夫婦は自慢の娘の話を彼に聞かせ、ホームビデオを見せた。レオはおてんばな少女が美しい女性に変わっていくのを見て、魅せられた。母親は一人で残してきた娘が何の連絡もよこさないことを悲しんでいた。やがて、レオは全快して、家に帰ったがどんな女性とデートしてもビデオで見た娘が忘れられなかった。レオはイギリスに妹がいることを思い出し、それを口実に娘に会いに行くことを決意した。
ヒラリーは店に現れたライアンという男性に誘惑され、婚約した。彼の口車に乗り、家を買って同棲を始めたが、出張から帰ると家は取り壊され、ライアンは姿を消していた。住む所もお金も何もない。同情した村の住人は、彼女にコテージを世話したが、打ちのめされたヒラリーはコテージに閉じこもり隠遁生活を送る。ライアンとの交際を快く思っていなかった家族に知られるのは耐えられないと、家族に連絡することも躊躇われた。コテージの母屋に住む大佐に交渉して、母屋に住み始めたレオは、ヒラリーの暗い瞳に愕然とし、彼女を思う気持ちに気付いて欲しいと思った。ヒラリーの悲しみに囚われた静かな生活はレオによって、かき回され始める。レオの過剰な干渉は、無気力だったヒラリーに、怒りをかき立て、分別を目覚めさせていった。村人たちは、同郷のライアンが企む悪事を阻止し、ヒラリーを温かく見守っていた。立ち直りかけたヒラリーを打ちのめしたのは、レオの妹の言葉だった。ヒラリーはレオが両親に頼まれて来たことを知り、土地の取引にも関与していることを知った。騙されたと騒ぐヒラリーに、レオは小切手を渡した。それはヒラリーがライアンにだまし取られた金額だった。考えた末、ヒラリーはレオに謝ろうと決意する。冷ややかなレオの態度は、ヒラリーを竦ませた。しかし、ライアンに何の感情も持てなかったことや、レオにかき立てられる感情を理解して、自分が恋に落ちたことに気付く。憶測で傷つけ合うのはやめようとヒラリーは思ったが、レオの真意がわからなかった。レオは大富豪で、女性もより取り見取りだ。そんな男性がどうして自分を?でも、他の女性が彼の傍にいるなんて耐えられない。レオはヒラリーを手に入れるためなら何でもすると言った。愛していると。ヒラリーが結婚しますと答えると、レオの瞳は輝いた。


「子供だって?今注文を出してもいいかな?」っていうレオのセリフ好きです。一目惚れに突き進む男性!素敵でした。