301 すべて心の決めるままに キャサリン・スペンサー

すべて心の決めるままに (ハーレクイン・ロマンス (R1815))

すべて心の決めるままに (ハーレクイン・ロマンス (R1815))

リリーは両親の死後、しばらく経って形見の中に父親の手紙を見つけ、自分が母の最初の夫の子供であったことを知った。疑問を解決するため、リリーは彼に連絡を取った。ヒューゴはリリーの知らせに喜び、リリーはヒューゴに会うため飛行機に乗った。しかし、出迎えに現れたのは、ヒューゴの再婚相手の息子だった。セバスチャンはリリーの母が夫を裏切り、浮気相手と逃げたことを知っていた。そして、今頃になって連絡をよこしたリリーを、セバスチャンは邪な動機があるに違いないと疑っていた。リリーは敵対心を隠そうともしないセバスチャンの態度に苛立つ。しかし、表面では反発し合いながら二人は惹かれ合っていた。
ヒューゴはリリーを温かく迎えたが、彼女の疑問には答えようとしなかった。両親を亡くし、パートナーに裏切られて仕事も失くしていたリリーは、足場を失くしたように感じていた。問い詰められて、リリーの母が犯した過ちを話したセバスチャンは、打ちのめされたリリーを慰めたいと思った。ぬくもりが欲しい。リリーはセバスチャンに抱いて欲しいと懇願し、セバスチャンの自制心は粉々に崩れた。リリーは愛が欲しかった。しかし、セバスチャンはただの欲望で、二人に未来はないと言った。
家族だけで過ごすコテージで、自己嫌悪に苛まれながらも、相手を求めてしまうことに二人は疲れ、抱き合った。尊敬する義父を裏切っていると思いつつ、セバスチャンにはどうすることもできなかった。
リリーを調べさせていた探偵から、リリーが巻き込まれた犯罪についての報告を聞いたセバスチャンは、彼女に不利な状況を見て取った。声高に責められて、リリーはセバスチャンが彼女を信頼する気は全くなかったのだと落胆する。初めて会った時から、彼は私を有罪だと決めていたのだ。だが、彼がどんなに邪魔しようとも、新しくできた家族のつながりを断つつもりはない。翌朝、リリーは故郷に帰り、また仕事を始めたが、ヒューゴや義妹のナタリーと連絡を取り合った。セバスチャンは新たに届いた報告から、リリーが全くの潔白であったことを知り、謝罪するためリリーを訪ねるが追い返された。感謝祭を楽しみにしていたある日、ナタリーが重病だという知らせが来る。これ以上悪化すれば、腎臓移植が必要だというのだった。両親も兄も不適合だったという話を聞いて、リリーは検査を申し出たが、セバスチャンに拒絶される。疎外感を覚え、リリーには納得できなかった。問い詰められてセバスチャンはリリーに愛していると言った。彼女は家族ではない。なぜなら、家族と恋に落ちることなどできないからだ。そして、たとえ妹のためだろうと、完璧なリリーの身体に傷を作るなんて耐えられない。自分の身勝手な思いにセバスチャンは涙した。
しかし、朗報が訪れる。ナタリーが危機を脱したという知らせは、二人を興奮させ、情熱へと駆り立てた。そして、セバスチャンは生涯リリーを愛し続けることを誓った。


ぼちぼちホット。