222 カムフラージュ リンダ・ハワード

カムフラージュ (MIRA文庫)

カムフラージュ (MIRA文庫)

重傷を負った男の身元確認のため、病院に連れて行かれたジェイは、当惑を隠せなかった。頭蓋骨骨折に、顔と両手は焼け焦げ、両足骨折の上、片方の肺はつぶれていた。身体から管を出し、包帯を巻かれた男は、5年前に別れた夫スティーブとは断定できなかった。髪の色も目の色もわからない。ジェイを連れてきた捜査官はブラウンだと言い、ジェイに決断を迫った。ジェイは、瀕死の重傷にもかかわらず、彼の肌の熱さを感じ、畏敬の念を感じた。ジェイはスティーブだと信じ、彼の傍に付き添うことを引き受けた。昏睡から目覚めたスティーブは、記憶を喪失していた。彼が重傷を負った爆破事故の際、何が起きたのかを捜査官は知りたがったが、スティーブは口を閉ざしていた。苦痛の闇から甦る手助けとなったジェイの声をスティーブは求め、彼女を信頼していた。身体が回復するにつれ、スティーブはジェイを欲しがった。最後の目の手術が終わり、包帯を解かれる日、スティーブはジェイを見たいと欲していた。しかし、彼の目が開き、彼女を見据えた時、ジェイは蒼白になった。その目はスティーブのものではなかった。敵の目を欺くため、彼はスティーブになる必要があり、そのために自分が不可欠だったのだと気付いたジェイは、彼と共に隠れ家に向かった。記憶が戻らない彼は、ジェイを元妻だと信じ、彼女を取り戻そうと決心していた。彼はジェイが自分を愛していることは、わかっていた。しかし、彼女は彼のプロポーズを保留にし、記憶が戻ってから、もう一度して欲しいと告げた。ジェイは、愛し合う時は彼の本当の名を呼びたいと思っていたが、彼の情熱を拒むことはできなかった。徐々に過去の断片が姿を現し、ある日全てが甦った。自分はスティーブではなく、ルークだと気付いた時、彼はジェイを失いたくないと黙っていることにしたが、二日後転機が訪れる。敵に隠れ家が突き止められたのだ。捜査官は彼が記憶を取り戻していることに気付き、ルークと呼びかけた。彼が記憶を取り戻したことを知ったジェイは、目を見た時に気付いていたことを彼に話したが、彼は記憶喪失で悩む彼に何も言わなかったことで、ジェイを責めた。ルークはふもとの村にジェイを連れて行き、街に出て捜査官に救いを求めろと言い、自分は敵と戦うため戻って行った。ジェイは、空港まで運転して行き、捜査官に電話した。捜査官は、全て片付いたと答えた。ジェイは自分のフラットに帰り、疲れて眠りこんだ。
ルークは、ジェイがルークを守るために嘘をつき通したのだと気付いた。
ジェイは、求める声に呼ばれ、目覚めた。そこには、怒りに燃えるルークがいた。どうして逃げ出したとルークは問い詰めた。もう言い逃れはするなと彼は言い、すぐに結婚すると告げた。ルークは、初めて彼女に愛していると言った。


ホットです!これは、名作かもしれないね。最後の方、泣いちゃったし・・・。感動しました。