568 二百年の恋 フィオナ・フッド・スチュアート

二百年の恋 (ハーレクイン・ロマンス)

二百年の恋 (ハーレクイン・ロマンス)

ナターシャは自分の純潔と引き換えに、愛する男の命を救った。しかし、レジスは婚約者が他の男に身体を任せたことを裏切りと考え、彼女を許さなかった。そこから、ソギュール家とダルジャンタン家の反目は、長い歴史をたどる。

二百年後、ナターシャは祖母の招きを受け、ソギュール家の屋敷に足を踏み入れる。祖母は貧しいイギリス人と結婚した息子を許さず、勘当して関係を断っていたが、その両親も亡くなり、今ではナターシャが唯一の肉親だった。やって来たナターシャに、祖母は自らの過ちを謝罪し、二人は蟠りを解いた。その夜、祖母は静かに息を引き取り、ナターシャは全ての資産が自分に託されたことを知る。莫大な土地と領民を抱え、ナターシャは途方に暮れ、やがて、事実を受け入れる。ナターシャは貪欲に、歴史を知り、仕事の内容を学んでいった。隣人であるラウルはナターシャに惹かれる自分に苛立たしさを感じていた。ソギュール家の女には近づくべきでない。だが、捕食者としての彼の本能は、ナターシャが遠ざかろうとする度、彼女を捕えようとそそのかす。
ラウルの誘惑に抗えない自分に、ナターシャは屈辱感さえ感じていた。彼が欲しいのは情熱だけだ。受け入れれば、最後に傷つくことはわかっている。傷つくことを恐れて、ナターシャが身を引く程、ラウルは追いかけた。それでも、それはただの情事に過ぎないと釘を刺すのだ。ラウルは思い通りにならないナターシャを求め、怒り、混乱した。そして、彼女を妻にしない限り、悪夢は終わらないと結論付ける。自分が都合がいいという理由でプロポーズされたナターシャは唖然とした。それに、彼は私を侮辱していることさえ気付いていない。拒絶されたラウルは、激怒し、親友に打ち明け罵倒された。親友に諭されて、ラウルは自分が愚かな間違いを犯したことに、やっと気付いた。手遅れでないことを祈りつつ、ラウルは心からナターシャを愛していることを打ち明ける。そして、二百年前に、レジスが婚約者に送るはずだった指輪をナターシャの指にはめた。


あるわきゃないって話。まぁ、ロマンチックではあるかな。