452 甘い蜜の罠 ダイアナ・ハミルトン

甘い蜜の罠 (ハーレクイン・ロマンス)

甘い蜜の罠 (ハーレクイン・ロマンス)

フランチェスコはビーチで出会った娘に一目惚れする。二人は惹かれ合い、素晴らしいひと時を過ごし、フランチェスコは彼女こそ求めていた女性だと確信した。指輪を買い、彼女を訪ねたフランチェスコは彼女の父親の歓迎を受け、彼から投資の話を持ちかけられる。アンナも他の女と同じ貪欲な女だったのだ。フランチェスコは落胆し、立ち去った。フランチェスコの残したメモを見て、アンナは全て夢だったと気付く。彼は身体が欲しかっただけだったのだと。しかし、アンナは妊娠していた。アンナは現実離れした両親を抱え、生活のために働かなくてはいけなかった。友人のパーティに招待されたフランチェスコは、アンナを見て愕然とする。大きなお腹を抱えて給仕するアンナなど、見たくなかった。フランチェスコはアンナに自分の子かと詰め寄った。真実は言いたくない。目の前から消えて欲しいと思いつつも、フランチェスコは魅力的だった。フランチェスコは、自分の子供の母親を働かせる訳にはいかないと、彼女の両親を説き伏せ自宅に連れ帰った。フランチェスコの、何でも金で解決する態度がアンナは許せなかった。施しを受けるつもりはないと、どんなに言っても、フランチェスコは蔑んだ目で見返すばかりだった。息子が生まれ、落ち着いた頃、母が先祖から受け継いできた家を売却すると両親から連絡があり、アンナは自宅に帰る決意をする。だが、養育費だけを渡して離れるつもりだったフランチェスコは、息子を手放すことはできないと思い知り、結婚を口にする。同意しなければ、親権を奪うと脅されて、アンナは悩んだ。拒絶すれば、両親は家を失い、自分は息子を失ってしまう。しかし、アンナが欲しいのはフランチェスコの愛だけだった。結婚を承諾したアンナは、フランチェスコの誤解を解きたかった。だが、彼が自分を信じてくれる日は来ないのだ。提示した養育費を減額し、高価な衣類を拒み、贈った指輪をはめようともしない。望んでいたはずの結婚にも、乗り気ではないアンナの姿に、訝しく思いながらも、フランチェスコは考えまいとしていた。式直前、フランチェスコは彼女を愛していることを自覚する。謎をそのままにしたまま、結婚することなどできない。フランチェスコは彼女の父親を呼び出し、融資の話の顛末と、彼女の真実を聞き出した。そして、彼女がフランチェスコの財産を望んでいた訳ではなかったことを知った。彼女の愛の言葉は、嘘ではなかった。自分たちは、愛し合っているのだ。祭壇に立つフランチェスコの愛の籠った眼差しに、アンナは戸惑った。そして、やっと彼が誤解を解き、お互いの愛を確信できたことを知った。


猜疑心に囚われ、真実を見誤った男の話です。