453 愛を恐れる誘惑者 サラ・モーガン

愛を恐れる誘惑者 (ハーレクイン・ロマンス)

愛を恐れる誘惑者 (ハーレクイン・ロマンス)

モデルをしていたキンバリーは、パーティの帰り暴漢に取り囲まれた所を、ルスに救われ恋に落ちる。18歳だったキンバリーは、ルスにバージンを捧げ、何もかも捨てて彼のベッドで過ごしたが、幸せは続かなかった。終わりを告げられたものの、妊娠に気付いたキンバリーは、何とかルスに連絡を取ろうとするが、拒絶されて、イギリスに追い返される。仕事も家も何もない。あるのは、交際中にルスから渡されたクレジットカードだけだった。子供のために、キンバリーは罪悪感に悩まされながらも、カードで家と子供に必要な物を買った。そして、カメラマンの友人ジェイソンの助けを借りて、生計を立て息子リオを育てた。リオが6歳になった時、突然脅迫状が送りつけられ、キンバリーは恐怖に怯える。息子を守るためには、ルスの力を借りるしかない。だが、ルスは子供がいることを信じようとせず、金を渡す代わりに、愛人になれと言った。断ることはできない。キンバリーは、二週間だけという期限を告げ、それを受け入れた。
ルスは、キンバリーに触発される自身の感情を恐れていた。母を愛するあまりに、母の亡くなった後、自殺した父のようにはなりたくない。どうせ、金目当ての女だと蔑みながら、ルスは彼女を独占したかった。二週間が過ぎた時、ルスは延長を申し渡すが、キンバリーは拒んだ。これ以上、リオと離れていることはできない。ルスは彼女が行くなら自分も行くと言いだし、イギリスに同行した。家に帰ったキンバリーは、家事をこなし、午後リオを迎えに行った。突然やって来たルスは、リオを見て激怒する。二人は瓜二つだった。キンバリーを責めるルスに、キンバリーは電話も面会も拒絶されたことを思い出させた。翌朝、やって来たルスは、子供のために結婚すべきだと言った。プレイボーイの彼に父親が務まる訳がない。キンバリーは、一カ月子供と親しく過ごし、禁欲することを条件に結婚を考えると答えた。ルスは立派にやり遂げた。唯一欲しかったルスの愛は得られなくても、リオのためにはこれでいいのかもしれない。だが、かかって来た電話はキンバリーを絶望の淵に追いつめる。脅迫はさらなる多額の金の要求だった。そして、学校からは、リオの姿が見えないと知らせが入る。ルスに問い詰められても、口止めを言われたキンバリーは、口を紡ぐだけだった。秘密を持つ女などいらない。しかし、何か気にかかる。ジェイソンは相談されると、ルスに打ち明けろと答えた。リオは誘拐されてはいなかった。そして、電話の履歴から犯人が判明する。ルスはやっとキンバリーを愛していることを打ち明けた。たとえ、キンバリーが愛してくれなくても、結婚はすると。傲慢ながらも、真摯な言葉に、キンバリーもずっと愛し続けていたことを明かす。


冷酷な仮面を砕かれることを恐れるあまり、捨て去ろうとしたものの、抗いきれない男の話。好きな子をいじめるタイプですね。