395 さよならジェーン エリカ・スピンドラー

さよならジェーン (MIRA文庫)

さよならジェーン (MIRA文庫)

ジェーンは15歳の時、疾走するボートにぶつかって大怪我を負う。右目を失い、深い傷を負ったジェーンは、再建手術を繰り返し、周囲のからかいにも耐えた。義姉のステイシーは、ジェーンを愛してはいたが、家族がジェーン一人に夢中なことに嫉妬も感じていた。それは、両親の死後、祖母がジェーン一人に遺産を相続させた時、決定的となる。ステイシーと交際していたイアンがジェーンと結婚を決め、ステイシーは打ちのめされる。ジェーンは障害を乗り越え、アーテストとして成功を掴み、整形外科医の夫に愛され、妊娠して幸せの絶頂にいた。しかし、ボートに襲われる悪夢は度々、ジェーンを悩ませた。事故直後からずっとジェーンを支え続けたデイヴは、精神科医となり、ジェーンの相談に乗った。
ある日、ホテルで女性の絞殺死体が発見され、刑事となったステイシーは捜査を行う。浮かびあがった犯人は、イアンだった。状況証拠しかないものの、全てはイアンの不利となり、彼は逮捕される。直後、ジェーンに脅迫状が届き、ジェーンはボートの男が彼女の幸せを奪いに来たのだと怯えた。ステイシーは相棒となったマックと捜査を続けるが、姉としての思いに悩まされる。心労の末、ジェーンは流産し、彼女のアシスタントのテッドが殺された。そして、ジェーンのアトリエから、犯人の帽子とジャケットが見つかる。ジェーンは怒りを感じ、やっと自分の家に自由に入ることのできる疑わしい人間に思い当たる。デイヴは出会った時、ジェーンに恋した。そして、ずっと見守り続けて来た。だから、イアンが殺人罪で死刑になれば、彼女と財産は自分の物になると考えた。ジェーンがそれに気付いた時、デイヴは彼女の首を絞めて殺そうとするが、現れたマックに射殺される。安堵したジェーンはマックを見て凍りついた。マックはジェーンを殺し、デイヴに罪を着せ、ステイシーと結婚して財産を手にしようとしていた。そこに、ステイシーが飛び込み、マックを問い詰める。マックの言葉はステイシーの携帯を通じ、上司に届いた。そして、ステイシーは妹を救うため、マックを射殺した。


すごく面白かった!324で紹介した作品の前の話。先にそっちを読んだので、犯人わかってて残念だった。みんながジェーンを愛するのに、自分を愛してくれる人はいない。結婚したい、そして、子供を産みたい。その心の隙間を狙って、策略を巡らす犯人。辛くて、痛い話です。