394 いくつものジェラシー ダイアナ・パーマー
- 作者: ダイアナパーマー,Diana Palmer,村山汎子
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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痩せて、体調が戻らないことを訝しんだアントニアは、検査を受け、医師から白血病と診断される。癌治療を受けて、寿命を少しばかり延ばすことを考え、アントニアは無性に帰郷したくなった。故郷で仕事を見つけたアントニアは、クラスにサリーの娘がいることに気付く。マギーはアルコールに溺れて死んだ母親からも、妻を憎む父親からも愛されずに育ち、反抗的だった。アントニアは、偏見を持つまいと思うものの、サリーそっくりの娘に親愛の情は持てなかった。敏感にそれを感じたマギーはアントニアを学校から追い出す決意をする。パウエルは牧場を大きくし、裕福になったが、一番欲しかったものは手に入らなかった。自分のプライドのために、アントニアが不実だったと言うしかなかった。マギーの策略で、疲れ切ったアントニアは、退職して、また町を出て行った。彼女の身体を心配したパウエルとアントニアの父親は病院に電話をかけ、彼女の病気を知った。彼女が死ぬために帰って来たことを知って、パウエルは茫然となり、これまでの間違いを正そうとする。しかし、迎えに行ったパウエルに、アントニアは生きる目的がないと告げた。死ぬことを覚悟したアントニアはパウエルを愛していることを認め、パウエルはそれを利用するしかなかった。短い間であっても結婚する。それがパウエルの下した決断だった。アントニアはそれに抗う気力はなかった。しかし、再検査の結果、診断は間違いであったことが判明する。パウエルは安堵するが、アントニアを二度と手放すつもりはなかった。白血病ではなかったものの、別の疾患であったアントニアは安静にする必要があった。パウエルは彼女を妻にすると、故郷に連れ帰り、彼の家に寝かせた。アントニアは、傷ついたマギーの心を優しく癒し、父娘の間を取り持った。無関心だった娘に、罪悪感を持っていたパウエルだったが、アントニアの指摘によって目覚める。マギーは確かに自分の娘だ。マギーは父親の愛情が感じられるようになって見違えるように明るくなった。ある日、近所に住む、美しい未亡人がパウエルを訪ねて来たことで、自信を失くしたアントニアは嫉妬に苦しめられる。問い詰められたパウエルは、アントニアの嫉妬に狂喜した。やっと、パウエルはアントニアをずっと愛し続けていたことを明かし、アントニアは喜びに包まれた。
傷つき逃げ出して、ひっそりと暮らしていたヒロインは、死期を宣言されて自分が求めていた物に気付かされる。胸が痛くなるほど、素敵な話。