646 もうひとりの私 シャーロット・ラム
- 作者: シャーロットラム,Charlotte Lamb,中村三千恵
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2000/04
- メディア: 文庫
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ソフィーが生まれてしばらくして、ジョハンナは再婚した。そして、新しい夫との間に息子も生まれたが、ジョハンナの罪悪感は消えることがなかった。
ジャーナリストになったソフィーが、アメリカに行くことになったことを知って、ジョハンナは初めてソフィーに秘密を打ち明けた。白血病と診断されたジョハンナの余命は三カ月、亡くなる前に一目アーニャに会いたいというのが、ジョハンナの望みだった。
おりしも、ガウリは義父の経済的援助を受けて、大統領選に打って出る工作中であった。ソフィーはただ母の望みを叶えたい一心だったが、破滅を恐れるガウリは危機を感じ、ソフィーの抹殺を命じた。
ソフィーは二度刺客に襲われるが、運よくキャシーに会うことができ、彼女に真実を打ち明ける。
キャシーは動揺し、夫ポールに打ち明けるが、彼から拒絶され哀しみに暮れた。ポールは驚愕と怒りを感じていた。
ポールはキャシーを心から愛し、溺れきっていた。だが、全て終わってしまった。
ソフィーの身を案じて、やって来た彼女の上司はポールを見て真実に気付く。ポールこそ、死んだはずのパヴェルだったのだ。話を盗み聞きしたキャシーは自ら命を落とし、彼女の亡きがらを抱いてポールも命を絶った。
ジョハンナは一度だけアーニャと電話で話をしたあと、発作を起こし彼女の死を知らぬまま亡くなった。
全てを暴露されたガウリは、離婚を言い渡され、後ろ盾を失くした彼は政治の表舞台から消えた。
一つの真実が、転がる雪玉のように、何もかもなぎ倒し破壊していく悲惨な話です。学生運動のリーダーだった父親は亡くなった留学生の名を借りて逃亡し、やっと人並みの生活ができるようになった時、妻は再婚して新しい家庭を持っていた。富を築いた彼は、パーティで妻にそっくりのアメリカ娘に惹かれ、結婚を決める。
しかし、ガウリの秘密を知った時、彼は禁忌を犯したことに気付き、何とかキャシーを守ろうとするが、もはやどうすることもできなかった。ガウリが富と権力を得るために使った駒は、禁じ手でしかなかった。