627 ボスは意地悪 レイ・モーガン

ボスは意地悪 (シルエット・ロマンス)

ボスは意地悪 (シルエット・ロマンス)

忙しい母の姿を見て育ったシェリーは、オールマン家に入り浸りだった。親友の二人の兄のうち、マットは優しかったが、レイフはいつも意地悪で、彼の悪戯に、シェリーは度々怒りや悲しみ、屈辱感を味わったものだった。
大学時代、知り合ったジェイソンに恋して、彼の会社に就職したシェリーは、彼と深い関係となり同居を始めたが、ジェイソンの妻が現れ、シェリーは自分の愚かさを知った。
故郷に戻ったシェリーは、オールマン社に就職する。
企画競技会に参加することになったシェリーは、今年の課題を見て動揺した。そこには、「役職交代」と書かれ、シェリーとレイフの名前が記されていたのだ。これまで、ずっと犬猿の仲だった二人は、大晦日の夜にキスしてしまい、それからはお互い、避け合っていた。
でも、優勝を勝ち取るためには、この4日間ボスとして、チームを統率しなくてはいけないのだ。
課題を聞いて、レイフも困ったことになったと思っていた。妹と一緒の邪魔なチビで、わずらわしいだけの存在だったシェリーが、いつの間にか美しい女性となり、ひどく気になるようになっていたのだ。彼女を見るたびに、欲望が頭をもたげ、レイフを困った状況にした。
シェリーには、レイフとの二十年もの確執の歴史があり、彼を知りつくしていた。彼に主導権を握らせるわけにはいかない。シェリーは断固として、レイフの主張を退け、チームの理解を得た。レイフは自分の案に誰も賛同しなかったことに不満だったが、シェリーの態度に賞賛を感じ、彼女に統率力があると認めた。
ジェイソンの会社も、競技会に参加しており、ジェイソンはシェリーに言い寄って来たが、シェリーははねつけた。しかし、ジェイソンの会社の出し物を見た時、レイフは驚愕する。それは、レイフが考えていた案、そのものだった。問い詰めるレイフに、ジェイソンはシェリーの名前をほのめかし、レイフはシェリーを信じられない思いに苛まれた。
シェリーのチームは、優勝を勝ち取ったが、シェリーはレイフの態度が気がかりだった。彼は私を疑っている。
シェリーは既に、恋に落ちてしまっていた。この恋を諦めることなんてできない。
レイフは一足先に、故郷に帰り、シェリーの母が経営するカフェにいた。そして、やっと事実に気付く。彼女が自分を裏切るはずなどないのだと。嫉妬のあまりに、目が曇っていたことに気付いたレイフは、シェリーに許しを乞うつもりだった。
率直なシェリーはレイフを愛していると言い、レイフも愛を告白した。


いまの僕は、君のことしか考えられない。夜も君の夢を見て、眠れないほどだ。女性に心を占領されたのは生まれてはじめてだ。僕の望みは君のそばにいることだけだ。これが恋でなかったらなんだというんだ?・・・ちょっとクサイかも。