614 誘惑のチェス・ゲーム リン・グレアム

誘惑のチェス・ゲーム―非情な恋人〈3〉 (ハーレクイン・ロマンス)

誘惑のチェス・ゲーム―非情な恋人〈3〉 (ハーレクイン・ロマンス)

養父母を亡くして独りぼっちになったキャシーは、住み込みの仕事を見つけたが、盗難の罪を着せられ投獄される。3年の刑期を果たしたキャシーは、学問を続けるために、仕事を掛け持ちしてひっそりと暮らしていた。
清掃を任されたオフィスに、チェス盤が置いてあることに気付いたキャシーは、悪戯心から見知らぬ持ち主に勝負を挑んでしまう。
警備主任から報告を受けたセルジョは、彼女が何かを企んでいると確信する。セルジョは欲望を刺激され、彼女にチェスの手合わせを申し込んだ。
キャシーは、仕事を失いたくない一心で、ゲームを引き受けるが、彼に対する自身の反応に戸惑った。ソファで、セルジョはキャシーを奪い、バージンであったことを知ると、代償に何が欲しいのかと聞いた。屈辱で、キャシーは怒りを吐露し、制止を振り切って帰って行った。翌日、清掃会社からクビを言い渡されたキャシーは、娼婦扱いした上に、仕事を奪ったセルジョに文句を言いに行く。だが、セルジョの高価な時計が無くなったことを、彼女の仕業だと疑われ、彼女は傷つく。
誰もキャシーの無実など信じようとはしない。
しかし、セルジョの秘書が保管していたことが判明すると、セルジョは謝罪し、妊娠してしまった彼女の保護を申し出た。
セルジョはキャシーが犯罪者だということに疑いを持たず、キャシーの身体だけが欲しいだけだということに、キャシーは我慢できなかった。
キャシーは、つてを使って住み込みの仕事を見つけ、セルジョの前から姿を消した。
だが、妊娠後期になって、切迫流産の危険が持ち上がった時、キャシーが載せられたストレッチャーの横に、セルジョが現れる。
彼はゆるぎない態度で、彼女を励まし、子供が心配なキャシーは彼を受け入れた。出産後、二人は結婚した。
しかし、セルジョが自分を信用しようとしないことに、キャシーは哀しみを感じていた。
結婚直後、キャシーの犯罪歴をタブロイド紙に知られてしまったことに気付いたセルジョは、彼女がその罪を後悔し、謝罪する声明文にサインするよう、彼女に迫った。
やってもいないことをやったと認めることはできない。二人のお互いへの不信感は、二人の間に亀裂を深めて行った。
だが、冷静に考え始めたセルジョは、彼女が罪を犯していないことに、やっと気付いた。
そして、セルジョの優秀な弁護団の力で、真犯人は逮捕され、キャシーの無実が証明される。
苦難に満ちたキャシーの一ページは終わり、彼女は愛に満ちた家族と、生活を手に入れた。


頼るもののない一人の少女は、悪意ある女に利用され、陥れられる。家族に裏切られた過去を持つ男は、誰も信用せず、全ての暗い面だけを見る男になっていた。初め、外見だけに惹かれ合った二人は、お互いの心の傷に気付いて、思いを深めていく話。