586 無垢なプライド ダイアナ・パーマー
- 作者: ダイアナパーマー,Diana Palmer,仁嶋いずる
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2010/02
- メディア: 新書
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ロークは辛辣な口をきく秘書と出会うことを、秘かに楽しみにしていたが、彼女がクレイの姉であり、昔起訴できなかった犯罪者の娘と知って驚く。ベッキーの目に浮かぶ涙に、ロークはうろたえ、彼女の家族への愛に羨望を感じる。
釈放されたクレイは、悪い仲間たちに利用されていることも気づかず、深みに嵌って行った。
ロークはクレイの仲間ハリス兄弟とその父親が、麻薬の売人であることを知っていたが、証拠がなかった。クレイの動向を調べるために、ロークはベッキーと食事することを決めるが、次第に彼女に夢中になって行く。
ロークに情報を与えたのは、クレイの弟マックだった。マックはクレイから知り合いに麻薬に興味があるヤツがいないかと聞かれて、激怒して兄を軽蔑していたが、最近学友の一人が、麻薬の過剰摂取で命を落とし、兄の仕業だと思っていた。マックから話を聞いたロークは、警察に知らせ、クレイは逮捕される。
クレイはハリス兄弟にはめられたことに気付いていたが、全てが彼に不利だった。ベッキーは、ロークがクレイを陥れるために、自分を利用したと信じ、絶望する。
ロークは、ベッキーの愛だけが欲しかったが、自分よりも家族を優先する彼女に苛立っていた。それでも、彼はベッキーに内緒で、祖父の医療費を支払い、クレイに最高の弁護士を手配する。
やがて、ベッキーの妊娠が確実になり、ロークは彼女に結婚すべきだと告げるが、ベッキーは拒絶する。
ベッキーはロークの真意が知りたかった。何もかも捨てて、彼の胸に飛び込みたい。でも、愛する家族を捨てることなど、ベッキーにはできなかった。
ロークはベッキーが誤解していることに気付くが、無垢だった彼女を誘惑してしまった罪悪感が彼を躊躇わせていた。
ロークは断固として、彼女の傍にいた。祖父に生きる決意をさせ、マックの信頼を得て。
紆余曲折の末、ベッキーは結婚を決意する。そして、彼女に指輪をはめたあとで、ロークは満場の聴衆の前で、彼女への深い愛を告白した。
家族の重圧に耐えながらも、ユーモアを忘れない優しい女性に、彼は心を奪われる。彼女を射止めるために、奮闘しながら、彼女の魅力に抵抗できず、それがまた彼女の誤解を産んでしまう。
家族を支えるために、デートしたこともない無垢な彼女は、男心など知らないために、彼にかき立てられる感情に振り回され、プライドが傷つく。よくできたストーリーです。