ヤバい経済学

この著者の、何にでも価格があるという考え方は、乱暴だが正理である。病院では、給料を払ったり仕入れ代金の支払い、設備の維持と、かなりの費用がかかる。医は仁なりなんて、建前でしかない。赤の他人に、必死になってくれなんて言える訳ないし、それなりであれば誰も文句は言わない。だから、医師たちは、内部告発を恐れるのだ。カルテを極秘にし、彼らの生活を支えること、もしくは、存在意義を与えることで、それらは回避されるはずだ。だが、専門知識を持つ看護婦や歯科衛生士は、不正に気付く機会が多い。
以前、親知らずに対する不正請求で、保険医を取り消された病院があった。昔は、正しい病名さえついていれば、請求が通ったからだ。だが、ここで誰が、それで得していたかというと明白だ。それまでは、患者は親知らずを保険内で抜くことができたが、それ以降は保険外になった。保険外になったために、親知らず一本抜くために、患者は多額の支払いを請求されることになったのだ。それが、必要ない歯であっても、痛くもない歯を抜くのは、保険に適用されないと言う訳だ。
矯正は保険外だ。だから、それに付随する行為は、全て保険が利かない。
将来的に、生き残るのは、歯科衛生士と矯正医だと、私は思っている。ミュータンス菌が撲滅すれば、タービンもヘーベルも必要ない時代が来るはずだ。
教育界も、そろそろ歯科医学部を閉鎖して、医学部に口腔外科学科を作るべきだと思う。