ヤバい経済学

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

アメリカ的に、大評判を得た本らしいが、日本的には、関係ない話が多い。
ただ、一点、医療に関する話(数行しかないけど)は頷けた。
医療は、必要悪で、医師は患者の自然治癒能力に依存している。自然治癒能力が衰えている患者は、施しようがないと言われるのだ。だが、医師も、一人の人間であり、生活がかかっているため、生活の糧(患者)を必要としている。豊富な知識と経験、透察力が成功(治癒)の可能性を高めるのだ。
保険制度は、度々改正されている。国は、なるべく支払いが少なくなるように画策し、医師の方は、なるべく沢山の点数を取る方法を見つけようとする。ほとんど、いたちごっこだ。改正があると、会報では、この病名に、この処置で何点取れるなんて指導してくれる。事実がどうであれ、その病名がついてれば、請求は可能だし、誰も真偽を確かめようとなんてしない。カルテは公開されないからだ。
顕著なのは、歯科業界だろう。今、歯科業界は歯科衛生士が居ないと取れない点数が大きい。地位が上がったのは、喜ぶべきところだが、いまだに日本では付属の職業でしかないのは問題だ。なぜなら、歯科衛生士と歯科医師は、相反する職業だからだ。
虫歯菌や歯周病菌が居なくなったら、歯科医師は商売あがったりだ。
アメリカでは歯科医は、デンティストでドクターではない。でも、プライドがあるから、トゥース・ドクターなんていう言葉を発明したりしちゃった。
点数が高いから、大体撮る口の中の全体写真、公開すべきじゃないかな。
そうすれば、その先生が、いい腕を持っているか、そうでないかわかるよ。
写真は嘘つかないし、アナタの口の中が、改善されたのか、ただいじくり回されてただけなのかが、すっきりわかります。
そういう判定をする仕事を、国にやって欲しいもんだが、医師会なんかから多大な寄付を貰ってる政治家は、反対するだろうね。