582 望まれぬプロポーズ ペニー・ジョーダン

望まれぬプロポーズ (ハーレクイン・ロマンス)

望まれぬプロポーズ (ハーレクイン・ロマンス)

両親が亡くなって、ルビーの生活基盤は揺らぐ。悪い友人から、そそのかされて薄暗いバーに足を踏み入れたルビーは、自分が場違いであることに気付いていたが、片隅にいたザンダーから、目を逸らすことができなかった。ザンダーは祖父の支配にうんざりして、怒りを貯め込んでいた。自分を見つめるルビーの視線に反応したザンダーは、怒りを鎮めるために彼女を利用することを決める。ルビーは、求めていた庇護者が現れたと思い込み、彼にバージンを捧げたが、翌朝、間違いであったことに気付く。見知らぬ男性を誘惑し、一夜を共にしたことで、ルビーは自身を嫌悪した。その後、ルビーは双子を産んだ。息子たちを愛しながら、身籠った時の腐臭を、息子たちに知られないことを、ルビーは願った。
5年後、ザンダーは自分に息子がいたことを、妹に知らされる。自身にそっくりな息子たちを見て、ザンダーは自分のすべきことを知った。
いきなり現れたザンダーに、ルビーは驚愕する。そして、ザンダーは息子たちを連れ帰って、自分が育てると言った。彼の財力を持ってすれば、奪うことも可能だ。ルビーは子供たちを得るには、自分を妻として迎える他ないと告げる。ザンダーはルビーを見た途端に、湧きあがった欲望に戸惑っていた。二人はお互いと自分自身に対して、嫌悪感を感じていたが、欲望は静まらなかった。子供には、両親が必要だ。そして、二人は息子たちを愛していた。
激しい欲望に、ザンダーは屈し、ルビーは彼に抗えなかった。誰もが、ルビーを称賛する中で、ザンダーだけは彼女を財産狙いの娼婦と決めつけていた。そして、妊娠が発覚する。それを、ザンダーは他の男の子供を、自分に押し付けようとしたと責めた。もう、限界だ。ルビーは、卑しい思考ばかりの男を、息子たちの傍に居させることはできないと非難し、立ち去ろうとするが、階段を踏み外す。
新しい命と妻を失いそうになって、ザンダーは真実に気付く。彼女を愛している。ザンダーは手を尽くして、彼女と赤ん坊を守った。やがて、彼女が目覚めた時、彼は自分の葛藤と彼女への思いを語った。やり直したいというザンダーの問いに、ルビーは彼を愛さずにいられないと答えた。


17歳のバージンを誘惑したことを、彼は恥じていた。だが、その罪悪感を、彼は彼女への非難に変え、自身を正当化しようと試みる。二人はお互いが、かき立てる感情と恍惚感が、唯一無二であることを気付かないように目を背けた。まぁ、危機が訪れて、ハッピーエンドが来るっていう、いつものパターンです。