580 吹雪の夜に愛して キャシー・ウィリアムス
- 作者: キャシーウィリアムズ,Cathy Williams,柿沼摩耶
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2009/12
- メディア: 新書
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セザールはフレディが会社経営に興味がないことを嘆いていた。話がしたいと、フレディに指定された店は、ひどく辺鄙な一角にあった。
フレディは店に関わるスタッフを、セザールに紹介したが、セザールはジュードを金目当ての娼婦だと疑っていた。
身ごもっているイモージェンが待つ家に、兄を泊めることなどできないと、フレディはジュードに助けを求め、ジュードは自分の家にセザールを連れて行った。だが、途中で車は動かなくなり、雪は吹雪となってしまっては、彼を泊める他なかった。二人は家に閉じ込められ、欲望に囚われてしまう。でも、これは過ちだ。二人は翌朝別れ、二度と会うことはないと思っていた。
ある日、イモージェンが病院に担ぎ込まれ、動転したフレディはジュードに助けを求める。フレディは兄から援助を勝ち取っていたが、まだイモージェンの事を打ち明けていなかった。セザールに事情を話して欲しいと言われて、ジュードは動揺した。急いでやって来たセザールは、話を聞いて、ジュードがフレディの秘密を守ったことを、非難したが、フレディの結婚と生まれた娘を受け入れた。
だが、ジュードは自身の妊娠に気付いていた。彼に話さなくてはいけない。ジュードは、決して罠にかけるつもりでいた訳ではない事と、彼に何かを求めるつもりもないことを話し、子供から彼を締め出すつもりもないと言った。そして、セザールが結婚すべきだと言うと笑い飛ばした。身体の相性がいいだけでは不十分だ。ジュードはセザールを愛してしまっていた。自己犠牲は立派だが、長続きするものではない。
セザールは、思案の末、お互いに譲歩しようと提案する。そして、通院に便利な場所に家を買い、ジュードに住まわせた。ジュードを気遣うセザールの態度は素晴らしかったが、それ以来求められることが無くなった事は、ジュードを不安に陥れる。そして、数日後出血を認めて、ジュードは恐怖を感じた。子供がいなくなれば、自分はセザールにとって、何の価値もない人間なのだと。ジュードは問題をそのままにしておくことができず、セザールに話し合いを求めた。セザールは、奈落の底に落とされる気分だった。彼女と会って以来、自由だったことはない。彼女に囚われ、振り回されている。愛しているとセザールは言い、ジュードも愛していると答えた。それなのにどうして結婚を拒むんだという問いに、正しいプロポーズの言葉を待っていたと答え、いつでも結婚すると言った。
従順で穏やかだった妻に満足していたはずだった。だから、妻亡き後、選ぶのは似通った女性だったのだ。辛辣で、頑固な彼女に出会うまでは。