564 誇り高き御曹司 ジェイン・A・クレンツ

誇り高き御曹子 (ハーレクイン・アフロディーテ)

誇り高き御曹子 (ハーレクイン・アフロディーテ)

ブルーは自身の信条に逆らってマコードとの同棲を始めたが、思いがけない妊娠に判断を迫られる。未来がないのなら家を出て行くというブルーの言葉に、マコードは激怒し、引き留めることなく彼女を行かせた。
だが、マコードはブルーを追って来た。彼女を取り戻す唯一の方法が結婚なら指輪をはめるまでだと言って。ブルーはマコードが妊娠を知っていることを知らずにいたが、ハネムーンの翌朝、彼女の悪阻に動じない彼の態度から事実を知る。その事が二人の間に僅かな溝をもたらした。
マコードはかつて一度婚約したことがあった。相手は家族同様に育った娘で、二人の結婚は家族が望んだ事だった。しかし、マコードはローラとの結婚を解消しようとし、ローラはマコードの弟カイルの子供を妊娠していると告げて結婚を強要しようとする。そして、マコードの説得に失敗したローラは猛スピードで車を走らせた末事故を起こし、今わの際にマコードの子供を妊娠して彼に中絶をしろと言われたと告げ亡くなった。家族はマコードの言葉は聞こうともせず、マコードは家を出た。それから、家族と会うこともなかったが、結婚したことだけは知らせようと決意する。
よそよそしい家族の集まりにブルーは痛ましさを感じた。マコードの両親はマコードが身一つで財を成したことさえ知らなかった。やがて、ブルーはローラの事件を知り、彼らが信じていた事実を覆した。マコードが結婚を拒み、中絶を勧めたなら、それは彼の子では有り得ない。自分たちが育てた息子の資質を疑ったと責められ、両親の目は醒めた。
だが、それを面白く思わない人物がいた。
彼は一族と親しい関係にあり、重要な地位を得ていた。だが、家族でない彼に社長職は回って来ることなど有り得なかった。ローラの身体は手に入れたものの、ローラにとって社長の妻になること以外は意味のないことだったのだ。家族の不和を呼んだことで溜飲を下げていた彼は、今度はブルーを貶め、マコードを傷つけようとする。仕事を早めに終わらせて帰宅したマコードは対決する二人を見て激怒する。
マコードは初めて会った時からブルーを愛していたことに気付く。そして、彼女は完璧に自分のものだ。男は逮捕され、マコードとブルーは愛し合っていることに不安がなくなった。



全幅の信頼と愛を捧げてくれる女性を手に入れながらも、永遠の絆を結ぶことを恐れていた男の話。彼女を失う危険を感じて、繋ぎ止めることには成功するが、物足りないものを感じ始める。彼女が自分を愛していることはわかっている。だが、彼女は愛を口にしない。
「先ず、隗より始めよ」って話よね。