557 Eメールは眠らない シャーロット・ヴェイル・アレン

Eメールは眠らない (MIRA文庫)

Eメールは眠らない (MIRA文庫)

6歳の時、グレースは自分たち兄妹が養子であったことを知らされる。何事も深刻に考えるグレースを守り、救ったのはガスだった。やがて、グレースはブラウニーと出会い、結婚した。娘が生まれた後、グレースは初めてブラウニーに殴られる。翌日、ブラウニーは後悔した様子で謝り、彼女を愛していると言った。半月程して、また殴られた時、グレースは彼は病気なのだと判断を下す。ブラウニーを油断させ、車に娘と荷物を積んで、グレースはガスの元に逃げた。離婚は二年後成立したが、甦る怯えの記憶を昇華させるために、グレースは自分の体験を書きあげる。出版された本はベストセラーになり、彼女は有名になった。
グレースのサイトには、メールアドレスが設置されており、ある日一人の女性からのメールを受け取った。ステファニーという女性は夫のDVと、家族からの批難に悩んでいた。グレースはステファニーを勇気付け、救済機関に電話することを勧めた。そして、家を出て、離婚するように書き送ったが、返事は喜ばしいものではなかった。
しばらく、メールが滞った後で、ステファニーの友人と名乗る女性から、ステファニーが夫を殺して、弁護士に連絡を取っているため、グレースの元にあるメールの写しが欲しいというメールが来る。グレースは証拠としての効力を失くさないために、直接グレースから弁護士にメールを送る必要があると説明し、弁護士の事務所とステファニーの電話を教えるよう返事を書いた。その頃から、グレースの家に番号非通知の電話がかかり始める。
電話をかけて来た女性は、ステファニーの夫の姉リサと名乗った。好奇心に勝てず、グレースは彼女とカフェで落ちあうが、直後娘からリサと名乗る女性が来訪したと告げられる。急いで家に戻ったグレースは、置き去りにして来た女性が追ってきたことに驚き、彼女の言葉から、彼女こそステファニーであることに気付く。ステファニーはグレースに銃を突きつけ、送ったメールを渡せと言った。瞬時に行動を起こしたガスの腕を銃弾がかすり、ステファニーは警官に射殺される。
グレースが受け取ったメールに書かれていた凶行は、全てリサの体験だった。ステファニーは今の生活から夫だけを排除するために、リサの話を活用して、グレースを利用しようとしていたのだ。
リサはグレースの本が自分を救ったと打ち明けた。ステファニーの行動は自分たちに責任があるものではないと。


ハーレクインに付き物の恋ですが、ちょっぴりあります。55歳のヴィニーはちょっと太めの芸術家。48歳になったグレースを、可愛い子ちゃんと呼び、食べちゃいたいと言う。なんか、そういうの素敵だなって思いました。