550 エーゲ海の花嫁 ケイト・ヒューイット
- 作者: ケイトヒューイット,Kate Hewitt,深山千尋
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2010/06
- メディア: 新書
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ルカスは浜辺で見かけた時から、リアノンに惹かれていた。会場に入って来たリアノンを隣に呼び寄せたのは、軽い興味からだったが、彼女が発した言葉に幻滅する。しかし、細かい事情を聞き出した時、不愉快な結論に達した。多分、甥がルカスの名を騙って、情事を持ったに違いない。
ルカスは甥クリストスに連絡し、レアンとナクソス島で楽しんだ事実を突き止める。一族の血を引くとなれば、アナベルの養育は引き受けざる得ない。
だが、ルカスの決断をリアノンは疑惑を持って抗うべきだと判断する。アナベルに必要なのは、お金ではない。愛情だ。独身の仕事人間に子供は任せられない。クリストスの血液検査が済むまで、結論は保留することに決め、リアノンはルカスの屋敷に滞在することになる。病に冒されたルカスの父テオは、蔑んだ目でリアノンを迎えたが、数日後態度を変えた。
テオはアナベルのためにリアノンと結婚するようルカスに言った。リアノンはアナベルのためなら、どんなことでもするはずだと。ルカスはリアノンが欲しかった。でも、愛などはいらない。なぜなら、愛は人を弱くする。
クリストスの母親が、アナベルの親権を欲しいと言い出し、二人は窮地に立たされる。リアノンには他の選択肢はなかった。そして、結婚した夜、ルカスに純潔を捧げた時に、彼を愛していることに気付いた。
愛する夫が求めるのは、この身体だけだ。苦悩するリアノンの前にクリストスが現れ、血液検査の結果、自分は父親でないことが判明したと告げる。アナベルとルカスには、何の関わりもないのだ。この茶番を続ける意味もない。
それでも、誰の子ともわからないレアンの娘を愛している。ルカスが義務で結婚を続けると言うなら、戦うしかない。
リアノンは帰って来たルカスに自分を引き留めることができるのは、愛だけだと告げる。抵抗するルカスに、リアノンは自分の目を見て愛していないと言えと言い、ルカスは敗北する。ルカスは母に捨てられた記憶から、自分を守るために愛を拒絶しようとした。だが、リアノンに一目惚れしてしまったのだ。やっと、ルカスはリアノンを愛していることを認め、リアノンは欲しかったものを手に入れた。
一代で財を成した男は妻に捨てられて子育てに失敗する。三人の娘は愛を求めては失敗し、自堕落になり、その収拾に追われる一人息子は仕事人間になった。一人の娘に向けられる息子の熱い視線に気付いた男は、息子が愛のある家庭を掴む可能性に気付く。