542 御曹司の素顔 ニコラ・マーシュ

ストリートチルドレンだったアリエルは、5歳の時バーブに拾われた。バーブはアリエルに食べ物と住む場所を与えただけでなく、彼女の好奇心を満たし、限りない愛情を注いでくれた。アリエルはバーブに感謝し、彼女の画廊を存続させることを約束する。
しかし、付近一帯に不動産開発の波が訪れ、アリエルは危機に立たされる。親しくする顧客から依頼を受け、ポートレートのモデルを募集したアリエルは、やって来た男性にときめきを覚える。
クーパーは父の会社を辞めるために、この取り引きを成功させる必要があった。父はクーパーが入社した途端、傲慢で鼻持ちならない男に変貌した。クーパーは昔の親密だった頃が懐かしかったが、もはや自分が独り立ちするしか方法はないと感じていた。買収が残っているのは、この画廊だけだ。だが、画廊主は話を聞こうともせず、クーパーに裸になれと言った。クーパーは人違いをしていると言いかけたが、強引な彼女に押し切られ、言いなりになってしまう。やがて、クーパーが不動産業者であることを知ったアリエルは、話を聞く代わりにモデルを続けることを条件に持ち出す。二人は惹かれ合っていたが、住む世界が違うことに気付いてもいた。
市から借りている土地は期限が来ようとしており、それが更新される見込みが少ないことをクーパーに知らされて、アリエルは絶望を感じる。バーブの残したものを守ることができない。クーパーは仕事と二人の関係は別物だと言ったが、アリエルは拒絶する。
クーパーは年老いた父が、息子に嫉妬し、彼を誇りに思いながらも、彼を会社に縛りつけようと画策したことを恥じていたことを知った。破綻しかけていた親子の関係は修復できるかもしれない。真実を知ったクーパーは画廊を買い取り、アリエルにプレゼントしようとするが、自分は売り物ではないとアリエルは激怒した。クーパーは心から彼女を愛していることと、彼女を必要としていることを明らかにし、彼女を射止める。


この本は、アマゾンにも楽天にもないみたいです。残念。